偽善者と元旦 2026
忘れた方への人物紹介
メルス:よく出る偽善者、季節ネタに苦悩する
アン:よく出る脳内サポート、ポンコツ主と問題児眷属の間で苦労する(裏話)
元旦、それは一年の始まり。
何かを始めるのにちょうどいい、まさに心機一転とする日でもある。
……まあ、人によっては一年持たずに三日ぐらいで頓挫する場合もあるのだが。
ともあれ、様々な場所を巡り季節ネタを調べる一年は去年で充分ということだ。
◆ □ ◆ □ ◆
イベントエリア 異界・天都大社
公式イベントとして、初詣ができるようになった。
そこは山とそこにそびえる神社で構築されたエリア、その途中には屋台も並んでいる。
「今年は午年……だったか、感覚が狂ってるからなぁ」
時間の流れが現実よりも速い、そんな世界にそれなりに長期[ログイン]中の俺。
そうなってからの経過を考えれば、合わなくなって当然なんだよな。
「それにしても馬か……」
《何かございましたか?》
俺の呟きを拾い上げるのは、眷属の一人であるアン。
種族性質みたいな存在でもあるので、ほぼ常時聴かれているようなものである。
「いや、絵馬があるだろう? アレって何だろうなって思って」
《メルス様の記憶にございましたよ? 絵馬とはかつての名残、神に捧げた馬を模して創り上げた木の板に、願いを掲げ捧げる……それが絵馬なのです》
「…………全然覚えてないな」
《そういった記憶であろうと、思い返すことができるのがスキルの力です。何でしたら、使い切りで使ったあのサイトのパスワードもお教えしましょうか?》
「止めてください忘れてくださいお願いしますから」
記憶力が無さ過ぎる俺をフォローすべく、眷属たちが創り上げたスキル[世界書館]。
世界の情報すべて……は無くとも、俺という個人が知り得たすべてを記録する能力だ。
そしてその内容は、俺が忘れたことであっても精確に本として記載される。
……たとえばそう、無意識に目に入ったであろう文字の羅列であっても。
「ご、ごほん……と、とにかく、絵馬がどういうものなのかは理解できた。ならそうだ、その元となった神馬をうちの初詣には用意しておこうか」
《……どのように?》
「あー、ほら偽・世界樹に居るし。アレを借りてこようぜ」
それこそ、神様の馬として神話にも語られていたわけだし、その恩恵はバッチリなはずだ……罰当たり、という点は見なかったことにするけども。
「ところで、なんか遠くで凄い歓声が上がってるんだよな……何やってるんだ?」
《メルスから見て右手に、その催しに関する情報がございますよ》
「へー、何々……『新春!神馬レース』か。なるほどなるほど…………俺より罰当たりだろこれ」
──気になったので行ってみました、お馬さんたちが頑張ってくれたので、僕も僕のお財布もホクホクです。
なお、リアルな馬の再現体VS魔物の馬的なものも
一番盛り上がったのは、馬獣人の女性たちによるレース




