偽善者とクリスマス 2025
※忘れた方への人物紹介
オジキ:帝国に流れ着いた人、親分、呪病だったところを偽善された
クリスマス。
それはお祝いの日、異国の聖人がかつて生まれた日……なぜわざわざ日本でそれを祝うのか、まあそこは大人の事情ということで。
去年はたしか……お代わりだったな。
一昨年ユラルが生み出したクリスマス仕様の世界樹君、それを運営神(一柱を除く)から無茶ぶりされたリオンが再利用した企画。
なんかアレ、運営側といっしょになってかなり頑張って改良したらしいな。
そうしてリア充/非リア充の天敵となり、罵詈雑言を受ける世界樹君。
……ユラルはその姿を見て、とても満足そうだったことを覚えている。
俺も俺でギーと共に、そんな世界樹君を一度伐り倒したりしました。
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ヴァナキシュ帝国 黒没街
今年も大人気な世界樹君が、イベント報酬の中身だけ変わって再登場している。
それはそれとして、俺はAFO世界の年末らしいイベントを探していた。
さすがに誰かの誕生日を祝う、という日を調べるのも面白みに欠ける。
なので年の終わり頃に行うイベント、ということで何か無いかを探ってみた。
「…………へぇ、冬至みたいなものですか」
「ああ、お前さんのところじゃあ、違っているみてぇだがな」
「そうですね。前にも言った通り、祈念者の世界には魔物も居ませんので。ただただ一年でもっとも日が早く沈んで、暗くなるってのが冬至の認識です」
今回は指名手配されている帝国で調査。
俺に協力してくれているヤ……侠客の親分に、最近の季節ネタを聞いていた。
その人はもともと井島出身なので、こことそっちと二つの地域のイベントを知っているからな……だからこそ、最後まで残していたと言っても過言ではない。
そして教わったのが冬至のイベント。
クリスマスよりも少々早かったが、まあ数日ぐらいだし良いとしよう。
日本では大して祝われることの無い冬至、しかしそれは大したイベントが無いという認識もあるからだ……逆にAFO世界には、それがあるからこそ重要視されている。
「そうか、モンスターリオットか」
「そういうこった。夜にしか出てこねぇ魔物が早く出てくる、それだけなら良かったんだがな……こっちでもあっちでも、その夜は魔物どもが騒がしい」
「でも、モンスターリオットは迷宮から魔物が氾濫する現象だよな?」
「そうだ。だから厳密に言えばそうじゃねぇが、似たようなことになるんだ」
…………聞いた話を俺なりに考察した。
本来のモンスターリオットが迷宮の魔物が飛び出す現象なのに対し、冬至に起きるソレはフィールド上の魔物たちが対象となる。
迷宮同様、駆除をきちんとしっかりとしていても必ず起きるが、それでも数は減らせるということで人々は頑張る……そして、それが過ぎた後に盛大なお祝いをするらしい。
「──ってのが、ちょっと前……というか昨日までの出来事だな」
「すみません……知ってれば助っ人に行ってたんですけど」
「いいや、構わねぇよ。もともと俺たちだけでやってたもんだし、お前さんらも……『くりすます』だかをやってるだろう? それにお前さんから貰った支援物資で、充分に対処できたからな。気にしてくれんな」
……リア充がどうこうと揉めている俺たちは、反省した方がいいのかもしれない。
とりあえず知人には連絡を回し、クリスマス前には備えてもらうとしよう。
なお、夏至にも似た感じのイベントが……
祈念者にも把握している人は居ますし、公式イベントにならないだけで毎年やってます




