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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者とこどもの日 2025



 こどもの日。

 去年はたしか……クエラムといっしょに考え、子供たちに滝登りをさせたんだったか?


 リンカに竜となる鯉型の妖怪を用意してもらい、成功した子供にプレゼント。

 一日中乗れることにしたら、何だかんだ登れる子がそれなりに居たという企画だ。


 なお大好評につき、今年もまたやる予定。

 前回とは滝登りのコースが変更されていたり、勢いを増した上級者向けコースなども用意してあるぞ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 イベントエリア


 こどもの日らしいイベントがAFO世界には無かったので、今回もまたこうして祈念者の誰かが開いたイベントに参加してみた。


「…………嗚呼、こうなるのか」


 手をグーパーと開いては閉じ、確かめるのは自らの小ささ──子供サイズの肉体だ。

 はっきり言って変身魔法を使った時と何ら変わらない感覚に、すぐ慣れていく。


 だが、普段からそんなショタやロリに扮していない祈念者たちは違う。

 自らの若さ、というか幼過ぎる肉体に適応できず、転んだり泣いたりしている。


「精神まで幼くなっているのか? なんというか、ちょっとした兵器レベルのヤバさだ」


 こどもの日の真の意味を完全放棄し、自分たちも子供になってみようというのがこのイベントエリアの特徴だ。


 戦闘職向けのPvPコーナーがあり、離れた場所にある戦闘禁止区画からそれを眺められる辺り、いろいろと狙っている感を覚えずにはいられない。


「むしろ知り合いがいなくて良かった……」


 初期は知らなかった[フレンドリスト]の欄を開けば、この場に自分のフレンドが居るかどうかを把握できる……幸いにも、この狂気の空間を訪れる者は居なかったようだ。


 どうしてこんなイベントを開いたのか、それを主催者に問いたくもなるが……関わったが最後、いつでも同じことができる存在として狙われたくないので全力で潜伏中である。


「でも、意外と参考になる部分もあるから出るに出られない……ふむふむ、こういうお店の方が子供的には受けがいいと」


 戦闘禁止区画には、それはそれは子供たちが縁日で駆け寄りたくなるような屋台がたくさん並んでいる。


 俺もそういうこと自体はやるのだが、やはり[ログアウト]が出来ない関係で最近の流行りについていけない……おおっ、今はこういうのが売れるのか、とメモを取っていく。


「でも、一番怖いのはアレだな──なんかそれっぽい子供っぽい屋台よりも、おでんとかお酒が売られている屋台にばっかり、子供たちが集まっていること」


 まあ、おでんはともかくお酒の方は昔話題になっていた子供用のノンアルだ。

 気分だけでも酔えたダメな連中が、戦闘や転ぶ祈念者たちを見てゲラゲラ笑っている。


「……そもそもこんなことにする気が無いって言うなら、最初からそういう屋台を用意するはずないよな。じゃあ、なんで?」


 のちに、それらが精神の幼児化を利用した財布の緩みによる散財を狙ってのものだと判明し──俺はそれを広め暴動を起こさせた。


 うん、いろいろとやり過ぎなんだよ。

 偽善者らしいことができたなぁ、とその暴動をつまみに一杯(果物ジュースを)飲んで楽しむのだった。



……すみません、ネタが切れてました

来年からは…………少し日がズレるかもしれません

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