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偽善者とバレンタイン 2025

※忘れた方への登場人物紹介

アカリ:赤色の世界の転生者(弟)、【迷宮主】、姉は『赤色の賢者』



 バレンタイン。

 クリスマス同様、聖人の記念日を現代風に魔改造しまくった果てに誕生した、プレゼント(主にお菓子)を贈る日である。


 日本では初期、女性から男性へチョコを渡す日といった認識があったため、渡す物は変われど『誰が誰に』、といったところはあまり変わっていない。


 まあ、俺は妖女として眷属たちにチョコ作りなどをしているのだけれど。

 ……全身チョコ塗れは、普通に食べ物を粗末にしているのでダメだと思う派だ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 赤色の世界 紅蓮都市


 今年は様々な場所で行われる、似ているようで少し違う年中行事を見ているわけなのだが……赤色の世界において、バレンタインの日に行われているイベントは──


「うん、まんまバレンタインだな」


「……ネェちゃんが、いろいろとね」


「異世界人による文化侵略、それはまさしくこういうことなんだろうな」


 赤色の世界には、地球からの転移者が二人存在している。

 姉弟の姉の方は『賢者』として、発言力とかもあるからな……。


「これまでは迷宮の中で獣人の人たちとやってたんだけど、今は交流とかもあるから。もともとメルス兄ちゃんがウィー姉ちゃんに教えてたから、そこから広まってたみたい」


「偉い人が宣伝すると、みんな真似したくなるもんな……嗜好品だから誰も損しないし、恋愛云々も交じってればそうなるか」


「…………ただ、地球と違って、一つだけ違うことがあるけど──『兄弟・姉妹チョコ』があるんだよ」


「…………まあ、いいんじゃないか?」


 ブラコンお姉ちゃんが本気を出した結果、少しだけ進んだ文化となったようだ。

 それで損をする奴も居ないし、商業的には儲けもの……ってことになるのかな?


「ちなみにアカリ、お前はアカネに渡す予定はあるのか?」


「ホワイトデーもあるから、そっちの方でするつもりだったんだけど……」


「手作りか?」


「……ダンジョンの機能で」


 アカリは【迷宮主】なので、DPを使いアイテムを作ることができる。

 どうやらチョコ作りは不得手なようで、召喚するつもりだったらしい。


「そうだ、なら教えてやろうか?」


「えっ、メルス兄できるの?」


「これ、試作品な。時空停止させてあったから、鮮度は保証する」


 この時期になればいつも作っているので、余りが少し存在する。

 眷属たちの物は全部その年に食べるが、自分で作った分は後回しにしているからな。


「…………これ、本当に? 取り寄せてたのより凄い旨い!」


「ははっ、迷宮の取り寄せは無い物については記憶頼りだしな。地球の高級チョコレベルなら、スキルがあればできるぞ」


「……俺も、できるかな?」


「教えられることは教えるよ。まあ……アカネなら、どんなチョコでも喜んでくれるさ。少しずつ美味しくなっていくのを楽しんでもらうのもいいかもしれないな」


「……できるなら、最初から美味しい方がいいんだけどなぁ」


 そしてこの後、ついでに赤色の選ばれし者(男性陣)を呼んでチョコ作りをやった。

 彼らのチョコは女性陣に渡り、何だか複雑な顔をされたとかされなかったとか。



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