偽善者と元旦 2025
※忘れた方への人物紹介
『ボス』:始まりの街のドン、ゴクドウ
あまけしておでめとうございます(意図した誤字)
今年もよろしくお願いします
元旦、一年の始まりを告げる日。
つまりは一日目、一年における最初とはすなわち一年カウンターにおけるリセットデイと言っても過言ではない(適当)。
だからこそ人々は、今年こそはと自らの所信を表明したりする。
俺の場合は、たしかこういうイベントの時に眷属といっしょにやることにしたんだな。
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自由世界 始まりの街
こちらの世界でも一年をリセットする日は共通なようで、絶賛お祭り騒ぎだ。
今までは自分たちの世界でお祭り騒ぎに興じていたが、今年はこちらで過ごすことに。
自主性、というヤツである。
俺も眷属たちもアイデア出しなどに協力はしているが、オリジナリティ溢れるイベントがこれからは生まれていくだろう。
「そんなわけで、今年もよろしくお願いします……で、あっていますかね?」
「ああ。世界の誕生を祝う日、そういった認識だな。なのでそれを祝う日として、こうした盛り上がりを見せている」
そんな一年の初めを共に過ごす相手は、眷属……では無かった。
透き通るほどの白髪とルビーのような赤目の少女、この街を統べる『ボス』その人だ。
「なるほど……創作物の知識だと、誕生日が全員一年の最初に設定されている、なんて場合もあるんですけど」
「……鑑定や生活魔法の“自知”もある。身分に関係なく、また魔物であっても誕生日は存在するぞ」
「まあ、言われてみればそうですけど……」
「だが身分の低い者たちが、いちいち自分を祝う余裕などない。また、長の一家などを優先して祝えば、それはそれで不和の種だ。それらを解消する大義名分として、今日を祝っている場合もある」
「ほぅほぅ、意外とそういう考えで設定されていたのかもしれませんね」
ボスは一般の自由民、そして祈念者以上にいろいろと情報通だ。
そのため、(様々な事情で)一般教養に欠ける眷属では分からないことをよく聞く。
まあ、住民たちに教えてもらうことも多いのだけれど。
彼女の場合、俺たちの方の情報もある程度把握したうえで話すので助かるのだ。
「それで、お前は店をやらんのか?」
「自分たちの世界なら、千歳飴っていう棒の飴を配ったり、甘酒っていう米麹で作った子供でも飲めるお酒を配布しているけど……試作版でいいなら、飲みます?」
「──頂こう」
取り出した瞬間に、俺の下から引き離された二つの試供品。
クイッと甘酒を飲み、一息吐いてから今度はパクリと千歳飴に口を付ける。
「……旨い」
「そりゃあ良かった。ちなみに、こういうのはこっち側には?」
「ほぉふぁな……んぐ。そうだな、井島辺りにはあるだろう。知っての通り、あそこはお前たちと似た文化を持つ転移者や転生者が多く集ったからな」
「まあ、何となくそんな感じはしたけど」
忍者……もといNINJA的なヤツも居るらしい、今度会いに行ってみたいな。
今年は眷属外の人々と、あれこれ語っていく感じになるかと
……無理そうだったら止めます、前書きですぐに分かります




