偽善者とハロウィーン 2023
…………な、なんとか書けた
ハロウィーン。
前回は服を、眷属がよく着る衣装のレプリカを民たちが楽しんで着ていた。
……だがすまない、それで楽しめたのはだいたい半分だけである。
まあ、だからこそ楽しめた者たちも居たのだが…………うん、性別の差だな。
「アレから反省して、衣装については創作物からいろいろと足したけど……根本的な面でどうにもならないな」
そもそものイベント内容だな。
まあ、ハロウィーンは毎年旬の衣装に身を包む感じにすればいいのだが、それはそれで別の季節のイベントが関わるというか……。
芸術面での発展は進めているが、まだインフルエンサー足り得る存在が足りない。
うん、わざわざ空想上の存在を探すより、眷属たちの活躍が凄まじいのだ。
「童話の衣装なんかも現実ならよくあったけど、この世界だとガチが居るからな……だからどうってわけでもないけど」
つまり、『かぐや姫』や『赤ずきん』やらは本物が居るわけなんだよな……。
むしろそれでコスプレをする住民も居るのでいいが、すでに使い古したネタなわけだ。
眷属に居ない童話の衣装なんかもあるのだが、やはりそちらは少し人気が劣る。
遠くの偶像より近くの偉人、眷属の方が憧れられているわけだ。
「…………って、だいぶ考えが逸れてきた。まあアレだな──今回は保留!」
◆ □ ◆ □ ◆
第一世界 イベント会場
『トリック・オア・トリート!』
「はいはい、よく見つけたなー。はい、お菓子をあげるから勘弁なー」
『わーい!』
そんなこんなで本番当日。
俺は見つけたらレアなお菓子が貰える、探し人を務めていた。
『トリック・オア・トリート!』
「──残念、ハズレよ。はい、だけどお菓子は用意してあるわよ」
『ちぇー』
少し離れた場所では、俺に気づけなかった子供たちが別の探し人役からお菓子を貰っている──その姿は俺とほぼ同じ、容姿も格好もかなり似ている。
「ウォーr……探し人、上手くいったな」
今回のイベントでは、予め指定された格好と容姿に住民の一部が変装している。
子供たちはその中から、レアなお菓子が貰える探し人を見つける……という内容だ。
まんま元ネタがアレなわけだが、面白ければ有りということで。
実際、探し人役の方も子供たちの一喜一憂で楽しんでいる。
なお、一回発見された探し人は、当たりハズレ問わず、お菓子を渡した後に隠蔽状態になり子供たちの前から姿を消す(ハロウィン風のエフェクト付き)。
そうしてまた別の場所に姿を現し、再び子供たちに声を掛けられるまで彷徨うのだ。
ちなみにだが、公平性のために鑑定や看破系のスキルは一切使えないぞ。
「さて、俺も次の場所に行きますか……長居しているとバレそうだし」
追手側の子供に混じり、本気で俺を探す奴も居るからな。
……子供たちを、あのわんぱく犬耳っ娘から守らねば!
そんなこんなで、ウォー……探し人で盛り上がったそうです
なおエフェクト付きなのは、突然消えたら怖いという真っ当な原因への配慮です
──途中からここで匂いの散布を混ぜ、嗅覚への対策も増やしたんだとか
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