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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者とエイプリルフール 2022

……どうにか間に合った



 自由世界 始まりの草原


 エイプリルフール。

 嘘を言ってもいい日……なのだが、眷属が加減を知らなかったため、うちの世界ではその行いに制限が設けられている。


 前回は種族を変えられるという楽しい感じで終えたが、今回は果たして何をしよう。

 なんて思っていたら、今回はAFOとしてエイプリルフールイベントがあるらしい。


「いやまあ、定番といえば定番だけども。これはさすがに違う気がする」


 お題は──『草原の乱、逆襲の巨大獣』。

 各地域の草原地帯において、そのサイズだけが異常な個体が発生しているようだ。


 初心者たちがその大きさに苦労したり、熟練者たちがあえて単独で挑むことで無双感を楽しんだり……意外と盛り上がっている。


「巨大化は某有名RPGでもやっていたけども。VRMMOでやっちゃいかんだろう……フィールドが埋まっちゃってるぞ」


 いちおう設定的には、龍脈的なエネルギーの暴走によって巨大化してしまったというもので、戦闘不能になると通常のサイズに戻ってしまう。


 なので討伐後はもちろんのこと、捕獲しても直接使役してもその直後に小さくなる。

 物凄い辻褄合わせ、翌日以降に影響を残さないためなのだろう。


 当然ながら、ドロップアイテムも本来の品とまったく同じ物。

 あくまで巨大な相手と戦えた、という思い出を与えるのが今回のイベントらしい。


 なお、自由民たちは運営神というかその使徒であるGMの皆様によって、予めこの情報が伝えられており、流通などにそこまで影響は出ていないようだ。


 ……戦闘力などはそのままなので、自由民たちだけでも対処可能だしな。


「うーん。アン、これって再現可能か?」


《可能ではありますが》


「じゃあ、うちでもやってみよう。ただし、非戦闘用で」


《なるほど、そういうことでしたら》


 国民、中でも子供を対象としたイベントとして、楽しんでもらえばいいだろう。

 大型の魔物たちを、テーマパークの遊具感覚で使ってもらえばいい。


 うちで討伐をしたいなら、迷宮にでも行けばいいわけだし。

 あそこなら巨大かつ凶暴な存在がいくらでも居るし、今回はふれあいイベントにする。


「……ちなみにだけど、眷属たちは何かしようと企んでいたか?」


《去年が種族の変更だったため、今年は年齢と性別どちらにしようか悩んでいましたね》


「……却下で。究極的に言うとそれ、いつもと変わらないじゃないか」


 普段からなんだかんだ必要に応じて切り替えているそれらは、種族よりも頻繁に変更しているものだろう。


 国民たちが楽しむならまだしも、眷属たちの狙いは読めている……うん、やはりふれあいイベントをごり押しするのが一番だな。





次回予告(偽)


──どうにか策略を凌いだ偽善者

だが、彼女たちはまだ諦めていなかった


次回、偽善者と偽りの死闘(嘘)!

……これは、起きうるべくして起きた悲劇だ

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