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偽善者とバレンタイン 2022

……どうにか間に合いました

ただ、少し粗いです



 バレンタイン


 穿った見方をすれば、世界でも一、二を争うほどに醜いイベントでは無いだろうか。

 チョコを奪い合う(比喩)だけでなく、そもそも由来すらも人のエゴで歪んでいる。


 本来、聖人の誕生日だったはずのそれが、何をどうしたら企業が金を得るために利用するイベントになるのだろうか。


 そしてそれは、世界規模で行われるほどに地球に浸透していた。

 ……現在は、AFOの世界にもかなり侵蝕しているが。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 第一世界 イベント会場


 今年は何をしようかと悩んだ結果、みんなでチョコレートパーティーをしよう……ということになった。


 子供なら、一度は見てみたいアレ──噴水のチョコレートフォンデュを展示している。

 ミルク、ビターなどの茶色の噴水だけでなく、いろんな色の噴水が飾ってあるぞ。


「──逃げましたね」


 チョコを楽しそうに漬け、会場中に並べてある品々を食べる人々を眺めていたが、そんな俺にアンは冷たい目を向けてきた。


 そう、現実ならともかく、こちらでの俺は生産を極めたような存在。

 なのにバレンタインでチョコを作るものだから、それをあの手この手で阻止された。


「……うぐっ」


「みんなへのチョコレート、響きはなんとも良いかもしれませんね。ええ、これではこれ以上何も言えないではありませんか」


「…………だって、普通に作ろうとしても作らせてくれないじゃないか」


 前回は祈念者に混ざって作ったのだが、今回はそれすらも封じられている。

 クランハウスに行ったら、言われたからと速攻で拒否されてしまうほどだ。


 それでも、貰ってから返すというのはどうなのだろう……とホワイトデーの概念を真っ向から否定する考えを胸に抱き、強行突破した結果がこれである。


 噴水をさすがに一から作ることはできないが、それ以外の部分で間接的に美味しくチョコを食べられるよう手を加えることぐらいならできた。


 そう、フォンデュにはやはり付け合わせが必要だからな。

 さまざまな食べ物を調理し、チョコに付けて食べられるようにしておいたのだ。


「チョコで想いを伝えられないなら、それ以外で伝えるだけだ。まあ、今回は国民への愛みたいな感じになっちゃったがな」


「…………ハァ」


「それよりいいのか? 結構数、減ってきているみたいだが」


「ハァ、裁判はあとでやりますので、お忘れなきよう。では、わたしも合流してきます」


「……えっ、ちょっと待って。裁判、なんで裁判なんだよ!?」


 俺の言及など完全無視で、アンはこの場から去ってしまう。

 ……イベントは大成功だったが、この後の俺は罰を受けることになるのだった。



なお、一部の女性から国王に苦情が入っています

男性の中には、国王からのチョコだけを期待している連中も居ますので(笑)

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