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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者と節分 2022

節分記念のSSとなります


忘れた方への人物紹介

『お嬢』:人形使い志望

『ござる』:忍者志望

『花子』:特に無し、しいて言うなら自由希望



 節分。


 子供でも理解している知識としては、服を招き入れて鬼(厄)を払い、年齢の数だけ投げた豆を食べる……といったものだろうか。


 あとはその年の恵方──吉をもたらす方角で太巻きを無言で食べるなど、結構多くのことをやるイベントだ。


 それはある意味、バレンタインやクリスマスと言った舶来してきたイベントが日本に適合したものではなく、元より日本からある風習だからこそなのだろう。


 日本全国で行われていたからこそ、またその土地柄に合わせてさらに派生していったイベント……それが節分なのだ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 イベントエリア


 ──さて、毎年俺の世界での節分ばかり紹介しているので、今年は祈念者が行っている節分の方を……と行きたかったのだが。


「そもそも、公式のイベントとしては何もしてないからなぁ」


 先ほども語ったように、節分はどちらかと言えば日本固有のイベント。

 広く伝わっている西洋由来のイベントに比べると、やはりマイナーなのだ。


 AFOは世界中に販売されているゲームであり、ログインは同一サーバー……ということになっている。


 まあ要するに、とある動物たちの住む森みたく、国ごとでイベントの発生を調整……ということができないのだ。


 なので全世界で共通のイベントになっているもの──バレンタインやクリスマスなど、分かりやすいもののみが、運営によって公式のイベントにされている。


「けど、個人でやるのは自由だしな。個人と言うか集団……もとい、各国の有力なプレイヤーが力を合わせれば、それなりの規模でイベントができる」


 まあつまり、そういうことだ。

 俺もかつて一度やった、個人主催のイベントを集団でやっている。


 運営公式のイベントグッズは無くとも、その雰囲気だけで人々は割と楽しめるものだ。


「それでまあ、豆まきをやっているんだ……三人は節分、知ってるか?」


「え、ええ……まあ、いちおう」

「同じく」

「…………」


「身バレの可能性もあるし、別に細かいことは言わなくていいぞ。まあ、これも新人研修の延長線らしいから、嫌でもいちおうは参加してくれ」


 今回、研修で担当することになった少女たちを連れて俺は節分に混ざっていた。

 いちおう、外国の祈念者も混ざっているらしいが……まあ、ノリで楽しんでいるな。


「今回は新人側が豆の投げ手、そして俺みたいな教員が鬼役を務めている。豆にはカウント機能が付いているから、当てたらその鬼のランクに応じてポイントが付く。その合計が多い奴ほど、あとでご褒美が与えられる」


「ちなみに、我が師はいかほどか?」


「ん? ああ、俺は──っと。見ての通り、当てられたら即優勝のポイントだ」


 魔法で散らすこともできたが、飛んできた豆すべてを目視で回避していく。

 狙ってきた連中は、ただ防御されるよりも衝撃的な光景に挫折するわけだな。


「で、お前たちは……まあ、そうなるよな」


 飛んできた無数の豆。

 それを投げたのは、先ほどまで言葉を交わしていた少女たち。


 ……特に一人、他の二人を利用して不意打ちまで仕掛けてきたよ。


「ちなみに、鬼は反撃を許されていないが、当てられなかったらご褒美があるんだ……いやすまんな、お前らの分も俺がしっかり貰っておくからな」


『!?』


「逃がさな……っ!?」


 花子(仮)が頑張ることは分かっていたので、非殺傷の罠を用意しておいた。

 そんな罠──落とし穴に注意が逸れている間に、俺は一気に宙へ跳ねる。


「さて、頑張ってくれよ……」


 俺だけを狙わず、他の指導役を狙うことこそが勝ち目だと理解しているはず。

 それでも狙うのは、さすがにな……励んでくれ、若人たちよ。



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