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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者とクリスマス 2021

忘れた方への人物紹介

偽善者:偽善者

 ユウ:僕っ娘な祈念者

アルカ:ツンドラ(ツン10:デレ0)娘



 クリスマス。

 前回はたしか、祈念者たちを煽って楽しんだ気がする。


 ……要らぬ揉め事を生まないで欲しいと、あとでレイたちに怒られてしまったな。


 勝ち組がわざわざAFOに[ログイン]して、現実以上の時間を逢瀬のために使う……最近は加速する時間を、そういった用途で用いる連中が多いんだとか。


 四季折々な日本の中でも、特に恋人とのイベントとして利用しやすいクリスマス。

 ただチョコを渡すバレンタインとは一味違う──最悪、新たな命すら育むのだから。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 始まりの街


 そんな性夜……もとい聖夜にて。

 祈念者たちがどいつもこいつも、人目も気にせずいちゃついている。


 それもそのはず。

 今宵、祈念者たちには聖夜の魔法が掛けられており、有象無象との干渉を断つことができるらしい。


 ……まあ、それも立派なシステムの恩恵らしいけども。

 祈念者向けには、知人以外を認識や知覚から外していると宣伝しているらしい。


「今回のイベントは飾り付けか……まあ、祈念者の数が数だし、ノルマの達成は簡単か」


 期間限定で出現する魔物からドロップするアイテムを納品し、ツリーを彩る。

 するとその品々によって、期間中限定のバフが入るようになるらしい。


 もともと加速しているこの世界、イブと当日の二日であっても約一週間はある。

 人々は挙って[ログイン]し、聖夜の午後には完全な状態まで飾り終えていた。


 ──で、何をすると言えばツリーに触れると行ける場所でのレイドバトル。


 一度の参加で記念品。

 勝利報酬は交換用のアイテムで、集めればクリスマスに関連したグッズが手に入る。


 サンタのコスプレやら、一日限定の特殊なバフやら料理やら。

 企業とのコラボグッズなども、この中に含まれている。


「──というわけで、君たちにも協力してもらうぞ! 俺の生産スキルがあっても、そういう運営が関わっているアイテムに関しては製造不可だからな!」


「……まあ、手伝うのはやぶさかじゃないけどさ。師匠、もっとこう情緒とかそういうのがあったんじゃないの?」


「しかしまあ、クリスマスなのに予定が空いているとはな。もしかして、お前ら──」


「……お前ら、何かしら? それ以上何か、言うことがあるの?」


 俺の台詞はすべてを言い切る前に、強制的に掻き消された。

 髪を真っ赤にし、サンタ色なツンドラ娘によって。


 他の祈念者眷属は、すでに約束している事柄があったのでここには居ない。

 ここに居る二人──アルカとユウもそのはずだが、なぜか俺を手伝ってくれるそうだ。


「……楽しんでいるようで何より」


「こ、これは……ユウがどうしてもって言うからよ」


「ふふーん、どう思う?」


「……。馬子──あっ、いえ。最高です、マジ美少女のサンタコス最高!」


 正解か!? 俺の命を懸けた解答は……どうやら及第点だったようで。

 これ以上の追撃は無く、二人は満更でもないのか笑みを浮かべている。


 そんなこんなで、上機嫌な彼女たちと共にレイドボスの周回を実行。

 ……傍から見れば今の俺は、美少女とクリスマスを遊ぶ勝ち組なのだろうか。


 だが、一つだけ言いたい。

 ──聖夜でも性夜でもない、生夜(生を足掻く夜)なんですけど!?



メリークリスマス!

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