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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者と七夕 2021

7月7日──記念のSSです



 七夕。


 前回は過去に遡って踏襲してのイベントを行った。

 穴に糸を通して、捧げるとかそんな感じで纏まったな。


 しかしまあ、いろいろやればどんどんネタが尽きていく。

 遺憾ながら、それらは有限でありどう使い潰していくのかが重要なのだ。


 七夕と言えば、そう言われて今の若者であれば過去のことなんて気にしない……そう、今の流行りを組み合わせていこう。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 第一世界 イベント会場


「──第一回、七夕流し素麺!」 


 うん、今の流行りについていけている人間では無かったことを、後で思い出した。

 それでもどうにか頭を捻り、辿り着いたのが……流し素麺って。


 そんな内心の焦りを隠すように、捲し立てて説明を行う。


「去年は糸を通してもらったが、今年はその糸の代わりに素麺を用意しておいた! 細かいことが嫌いな奴も、食べるだけならシンプルでいいだろう?」


 笑い声が上がり、こっそり拳を握る。

 よしっ、掴みはバッチリだ……このまま続けていこう。


「俺の下に魔道具の管が何本もある。これは全世界に繋がっていて、それぞれの場所で素麺を流していく。麺の色ごとに味を変えているから、自分たちで好きな味をシェアするのもいいかもしれないな」


 七色素麺とアイテム名にも記され、大量生産を可能としています。

 商人たちを通じて、いずれは外でも売り捌く予定だ……文化侵略というヤツだな。


 そんな素麺だが、五本の管にそれぞれ通していく予定だ。

 第一、第三、第四世界、そして童話世界と赤色の世界にそれらは届けられる。


 眷属たちも各世界の最後尾で待機し、共に楽しんでもらう予定だ。

 なお、最後なのは途中だと総取りする可能性があるから……特にグラ。


「もちろん、七夕として短冊に願いを書くイベントも忘れるなよ? 素麺をお腹いっぱい食べて幸せになったら、その幸せを忘れないように願いを書いてくれ。民がそうして喜ぶ姿こそが、俺にとっての幸福だからな」


 そう言って、素麺を管に載せて各世界の民たちへ配っていく。

 実はこの過程も料理スキルに含まれているので、あえて俺が行っている。


 手ずから、丹精込めて素麺を流していく。

 神眼で眺める民たちも、時折奪い合いながら素麺を食べている。


「我ながら、いいアイデアを思いついたものだな。けどまあ、その分……ハァ、あとのことが怖い怖い」


 楽しめんでもらえばもらうほど、さらに次のイベントを期待されてしまう。

 そう考えると、一苦労だが……けど、それでも楽しんでもらえているからには頑張る。


「いいアイデアを思いつきますように。そう願うのもいいかもしれないな」


 自身で生み出した人造の星に、そう願うのもまた一興か。

 嗚呼、どうか叶えてください……そうじゃないと、大変な日々が続くんです。



皆さんの願いはなんでしょうか?

作者は……無難に生きたいです

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