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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者と元旦 2021

新年あまけしておでめとうございます



 元旦、つまるところ正月。

 一般ピーポーとして生きてきた俺に、わざわざ外国の知識を織り込んだイベントなんて用意できるわけがない。


 ネタが尽きたなら、シャインにでも調べさせてその情報を持ってこさせるのだが、そうでもなくそれなりに楽しめるなら、その一般ピーポーの範囲で楽しめばいい。


「初日の出、お年玉配り、他にもいろいろとやってきたな……さて、今年新たに始めるのは何にするべきか」


 まあ別に、今までのものを繰り返すだけでも何も文句は言われないだろう。

 とはいえ、そういう考えとは別に斬新なアイデアを出したいという欲もある。


「創作物でも、持ち込んだ奴らによって歪んだ文化になる場合があるからな……」


 バレンタインが純粋なチョコ&告白の日になったり、クリスマスが性なる夜になったりと……まあ、後半はともかく、前半は実際に現代でもそんな感じだよな。


「何かやるか? でも、そこまでいいアイデアも浮かばないし……どうしたものか」


 そんなことを考えていたのが、年末の話。

 そして、年が明けたそのとき──


  ◆   □   ◆   □   ◆


 第一世界 イベント会場


「明けまして、おめでとう!」


『おめでとうございます!』


「さぁ、今年も俺の世界を楽しんでくれ! 記念すべき最初のイベントは──これだ!」


 空から地上に、そして他の世界で映像越しに見ているであろう国民たちに叫ぶ。

 手には超巨大な垂れ幕、その封を解いて書かれた内容を見せる。


「世界マラソン! 転移門を通じて、俺が指定したルートで各世界を巡ってもらう! すでに走りたい者を集めていたが、今からでも参加してくれて構わんぞ! 詳細は、アンから説明がある!」


 俺がそう言い切ると、映像にアンが登場して説明を始めた。

 ……まあ、正月のイベントと言えば、やはりこれだなーという考えに至ったからだ。


「来年は通常のマラソンじゃなくて、リレーマラソンにしよう。それを交互にやっていくだけでも、結構いけるんじゃないか?」


 これを考えたとき、すぐに各世界の広報担当者に一報入れた。

 急ですまないと詫びたのだが、意外と誰もが乗り気だった……いい奴らばかりである。


 お陰で各世界ごと、マラソン中に映る際の宣伝もばっちり。

 走者たちの服にも、一部の店が協賛したのかロゴが入ったりしている。


「嗚呼、またこっちの世界が俺たちの世界に影響を受けてしまった……やっているのは俺自身だけども、変な風に曲解されなきゃいいけど」


 まあ、いろいろと規制することもまだまだあるし、それを楽しんでくれるかは国民次第だ……ダメなら没にして、無かったことにしようか。


 ──今年も、そんな風に始めるとしよう。



今年もよろしくお願いします

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