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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者とクリスマス 2020

メリークリスマス!



 クリスマス。


 これまでもいろいろとやってきて、他の季節イベント同様にやることがだんだんと無くなってきた今日この頃。


 クリスマスツリーを用意して、豪勢な料理に七面鳥を加え、コスプレをして、プレゼント交換会をする……日本独自の風習が一部混ざりあったイベントがクリスマスだ。


 さて、だがクリスマスとはある意味二日存在している。

 もちろん本命、二十五日のクリスマス。

 そして、その前日たるクリスマスイブ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 始まりの街


 どうやら今回、クリスマスはシンプルに飾り付けるだけらしい。

 街並みに彩りが設けられ、眩いイルミネーションが散りばめられている。


「聖夜ってのは、こうも殺伐としているモノなんだっけ……なんか正と負のオーラが目に見えて漂っているな」


 白と黒、輝きと闇。

 相反する力の渦が、街を覆っている。

 それは祈念者たちの想念、クリスマスの受け取り方の相違が生みだした概念。


「運営もそういうのやるなよ……なんか、可哀想になる」


 今回、ログイン時の感情を読み取ってクリスマス限定のオーラエフェクトを漂わせるという嫌がらせをしてきたのだ。


 オン・オフいちおう切り替え可能だが、それを維持するとアイテムが貰えるという噂があって、大半の者はそのまま。


 その結果、街は二分された。

 噴水を分けて南東が白いオーラ、北西が黒いオーラで包まれている。


「行ける場所……の違いか? 新人でも行ける南と東がリア充の集合地で、一定レベルでないと行けない北と西にはより経験を積んだ祈念者ばかりが虚しく集まっている」


 そのうち、黒と白で戦いが始まるのではと思うほどに酷いオーラの密集だ。

 空から俯瞰する俺は、その痛々しい色の輝きを視ていた。


「魔導解放──“白き箱清き光”」


 そして、魔導を展開する。

 始まりの街すべてを包み込んだ魔導……本来なら犯罪として取り締まられるが、魔法ではなく魔導だとルールが無いので合法だ。


「あとは声をスキルと魔法で拡張して──聞け、異界より来訪せし者たちよ!」


 声も多少弄って、低く重みのある声で祈念者たちに働きかける。

 そして、彼らはそれを聞く──白い光がそれを強制するからだ。


「今、この間死してもいっさいの咎や制限は生まれない。聖夜の奇跡、それはこの地を黒く染めるためのもの──我、『試練魔王』の名において告げよう。白よ、抗え! 黒よ、塗り潰せ!」


 状況を瞬時に理解することはできない。

 だが、少しずつ動き出す……黒いオーラが白いオーラとぶつかり始めた。


 ふっ、俺からのプレゼントだ──クリスマスを熱い闘争でリア充、非リア関係なく楽しむといいさ。



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