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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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19/72

偽善者とエイプリルフール 2020



 エイプリルフール。


 嘘を午前中に吐き、午後にはネタバラシをする……これぐらいの解釈でいいだろう。

 前回やらかしすぎたため、なんだか説明もおざなりになっている。


「──いや、なんでそんなにやる気なの?」


 やる気に満ちた眷属たちの姿に、俺も少々引いてしまう。

 前回、とんでもないことをやらかしているというのに、なぜこうも盛り上がれるのか。


「今回は普通に、AFOとしてのエイプリルフールのイベントに混ざろう。もう……前回の惨劇を見るのは嫌なんだ」


 撮影用PVを撮ったりもしたが、一週目の世界崩壊ルートは未来眼が映し出した過程の未来として実際に存在していた。


 なので今回は運営が企画したと思われるイベントに参加して、俺たちの世界独自の企画などは立ち上げないことに。


 代わりに映像を国民たちに提供し、それを楽しんでもらうことに。

 ……つまんないかもしれないけど、世界が終わるよりはマシだろう。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 攻城戦でも使ったからか、一日限定で用意されたイベントエリア。

 自由民がいっさい存在しないからこそ、少しばかり派手にやらかしてもセーフとなる。


「……はずなんだけどな。何、最近は世紀末プレイが流行ってるのか?」


『ぎゃぁあああああああ!』


「……偽善者としては、救わなきゃダメな場面なんだけどな」


 草原を覆い尽くす魔物たちの影。

 ただしそれは、膨大な数を示すモノではなく──単純に、その大きさを指していた。


 草原に出てくる魔物は、魔小鬼や桃兎、あとは野犬など初心者でも倒せる種族ばかり。

 しかし現在、そんな初心者が狩るような魔物たちによって──熟練者が狩られている。


「えっと、受け取ったイベント内容のメモによると──特にドロップアイテムが特殊なわけでもないけど、大きいから強くていいネタになると……まあ、楽しめそうだけどさぁ」


 発生した直後を狙い、一匹の野犬の首を切り落として解体を行う。


 ありとあらゆるモノを解体できる包丁を使い試したが、たしかにドロップアイテムにこれまでと違ったモノは無かった。


「まあ、スキルで自動的に解体せず、削ぐ感じで取ろうとすれば収穫量は増えると思うけど……問題は、あれだよな」


 その中で、このイベントによって尋常ではない強化を受けた魔物たちが存在する。


「──『犬』と『猪』が同時に来たぞ!」


 片方は『野良犬』、もう片方は『大猪』。

 どちらもボスということで、もともと巨大サイズだった……それがさらに大きくなることで、手に付けられない怪物となったのだ。


 フィールド上を駆け巡り、破壊の限りを尽くす二体の厄災。

 それらを相手にする祈念者たち……今日限りの戦いは、これから幕を開く。


「さぁ、始めるか──“召喚(サモン)()眷属(ファミリア)”!」



この後、イベントエリアが崩壊したとかしなかったとか……

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