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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者と節分 2020



 節分(割愛)。


 同じ説明は何度目になるのだろう?

 豆を食べたり、恵方巻を食べたり、イワシの頭を飾ったり……いろんなことをやる。


 そういえば、『鬼は外、福は内』というお決まりの言葉だが、一部の地域では鬼を外に追いやらないらしい。


 お不動さんこと不動明王を崇める場所なんかでは、彼のお方が鬼にも寛大だからフレーズは両方『福は内』なラブ&ピースな豆撒きなんだとか。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 第一世界 リーン


「さぁ、今年は恵方巻を食べる……そのためのナンバーワン恵方巻を決まるぞ!」


『ウォオオオオオ!』


「ノリがいいなお前ら! 俺はそういうお前らが大好きだ!」


 豆撒きと恵方巻、どちらかは大々的に行うということでお祭りを開く。

 去年は豆撒きで俺を景品に盛り上がったので、今年は恵方巻で盛り上がる年だ。


「使っていい食材は七つ! これは、俺の世界の七福神っていう風習に則ってやるもの。どんな物を使っても構わない、ただ求めるのは一つ──美味しいことだけだ!」


 どれだけ高級品を使おうが、複製魔法で増やせば全員に届けることができる。

 ……複製すると料理のバフ効果は失われるが、そういう目的じゃないので問題ない。


 重要なのは、複製品でも受け入れてくれるという国民の心の広さだよな。

 栄養などの面に問題が無いのは調査済みだが、やはり忌避感などが沸くだろうに。


 そんな寛大な国民たちに感謝する意味も込めて、恵方巻コンテストの会場には自由世界だと超高級品とされている素材なども並べている……余ってもみんなで食べる予定だ。


 参加する料理人も、普段は忙しいルーン王族専属料理長を呼んだりしているし、あとでみんなで食べようじゃないか。


「……さて、俺も準備をしないとな」


 当然、料理神と生産神から加護を授かっている俺もネタ枠として参加するつもりだ。

 この日のために、わざわざ祈念者からクックハ°ッドを調べてもらったからな。


「必要な食材は……」


  ◆   □   ◆   □   ◆


 コンテストの審査員としても俺は参加。

 ネタ枠が優勝することはない……参加してたら、真摯すぎる宗教団体の投票で優勝してしまうだろうし。


 優勝者は料理長、高級な食材は極力使わない家庭的なお味で人気を得ていた。

 余った食材も、料理長の手で美味しい料理と化けていたよ。


「それじゃあ、みんな恵方巻を持ったか?」


『はーい!』


 今年の方角は西南西。

 みんなでそちらを向き、恵方巻を構え──いっせいに貪る。


『………………』


 もぐもぐタイム。

 うん……傍から見るとシュールだな。



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