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偽善者とこぼれ話 番外月  作者: 山田 武


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偽善者とハロウィーン 2019



 ハロウィーン。

 これまでも何度かやってきたが、今回は仮装的なイベントをやってみようと思った。


 ちなみに仮装をする理由は、10月31日にやって来る悪霊たちから仲間扱いされることで、魂を持っていかれないようにするためなんだとか。


 今では好きなコスプレとかをしているが、本来はそういった目的があった。

 ただまあ、こっちの世界だと仮装すべき対象が普通に生きているんだよな。


 そもそも悪霊は結界でどうとでもなるし、来たとしても排除は簡単である。

 なので何かしたいのであれば……そう、ただの仮装パーティーでいいだろう。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 リーン 特設会場


 毎年恒例のハロウィーンイベントだ。

 子供たちはお菓子を求め街を彷徨い、大人たちもまたそんな無邪気な子供たちと共にコスプレを楽しんだりしている。


「大人がはっちゃけるのって、結構難しい時があるんだよなー。まあ、この世界だとそのメリハリがちゃんと分けられているけどな」


 イベントを開催したときはとことん楽しめと、自ら実行することで証明してきた。

 だからこそ……ほとんどの民たちはここに集まり、仮装を楽しんでいる。


「……まあ、毎度毎度プレゼントを用意しているからって理由もあるけどさ」


『ウォオオオオオオオオオー!』


「眷属も交じっているな。参加せずとも、別に欲しいって言ってくれたらあげるのに……そこは民に譲ってやってほしいが」


 基本的に俺は眷属優先だし、あと俺の世界で始めたポイント制度の中には民の願いを叶えるというモノもあるけどな。


 コスプレ姿で舞台に上がる眷属たちの姿を見ると……なんかこう、複雑な気分になる。

 見目麗しい眷属たちが可愛いあるいは素敵な格好になるのは、嬉しいんだけどさ。


「──皆が皆、願うだけではいけないと理解しているのです。我が王(マイロード)


「ドゥルか……うん、お前はその姿以外にもなった方がいいんじゃないか?」


 いつも通り青色の鎧を身に纏う騎士の姿。

 それがドゥルの象徴とはいえ、カッコいい騎士をいつまでも貫くというのもな。


「で、ですが、これは我が王が私に与えてくださった物で……」


「たまには気を抜いてくれよ。たしかに俺はお前をその在り方を求めた……けど、それだけじゃないだろう? ──そーれっと!」


「マ、我が主(マイロード)!?」


「うん、とっとも似合っているぞ……お姫様みたいでピッタリだ」


 金と銀の混ざったドレス姿。

 普段の凛々しい騎士の恰好ではなく、そういった姿になるドゥル。


 少々ズルいが変身魔法を用いて、ドゥルの姿を今のプリンセス状態にしてみた。

 辺りの人々もそのサプライズに盛り上がっていく……そりゃあ、可愛いは正義だしな。


「今日はお前がお姫様、そして俺が騎士様になってやるよ。さぁ、お手を」


「は、はい……」


 それからしばらく、ドゥルをエスコートしてイベントを満喫することになる。

 ……同じことをしてほしいと、いったい何度言われたことやら。



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