ー第4話リスタート
ー第4話リスタート
44が解散して、6ヵ月が過ぎた。スフィア会長もDD アメリカも事を公にはしなかった。
しかし、業界は美里との契約を結ぼうとしなかった。どのライブハウスも、しばらく待てと慎重だった。世界規模の楽曲配信会社が美里をどう扱うのか、様子見状態だった。リリア達は、3人で新たにリリアントワネット名で活動を再開した。
サイドギターを弾かなければならなくなったリリアに、ギターを教えながら松屋でバイトする毎日になった。
バイト休みの月曜日。ボーとしながら、ユーチューブの音楽動画を眺めていた。そこそこギターテクニックもプロとして認められていたし、ファンも増えつつ有った。それがメジャーデビューの要件ではなかった事に、脱力感は否定できない。
なぜ、スフィア会長がDD アメリカを世界規模に押し上げる事ができたのか?
彼は音楽を愛しておらず、ビジネスとして割り切れるからだろうと美里は思った。明らかに音楽として間違っていても、ダウンロード数が優先する。良い音楽と金になる音楽は、必ずしも一致しないらしい。
トュトュトュトュ
トュトュトュトュ…
スマホがホワイトベースの警報音を繰り返し鳴らし始めた。
「はい」
ーミサト?エリアだけど、今何してる?ー
「今?アポカリップスとか言うアイドルの動画見てる。才能あるよ。私より」
ーワールドワイドできるギタリストが何やってるの。世界的損失だよー
「松屋でチキンのタルタルソースを作ってんだよ」
ーも~聞いてらんない。今夜新宿のトリニティブルーでベース弾いてくれない?六本木から新宿に移転したから、六本木に行かないでよー
「バイト?時給いくら?」
ーワンステージ10曲で5000円でやってくれない?夕飯と飲み代はおごるけどー
「豪勢。お金持ちのおじさんと知り合いなんだ。良いよ。やるけどベース持ってないよ」
ーちゃんと有るよ。デモテープ要る?ー
「要らない。キーとビートだけ教えてくれれば、合わせる」
ーじゃあトリニティに19時までに入ってー
「はい。19時ね」
それは、バイトではなかった。




