ーおまけ2の4
ーおまけ2の4
次の日曜は元旦だった。
初詣をさっさと済ませて、10時に年中無休のトモダチ楽器店に振袖で入って行った。
トモダチのおっさんは喜んでくれた。
「トモダチのおっさん!明けましておめでとうございます!」
「野郎共とは女の子は違うな。正月にちゃんと挨拶に来てくれる。しかも振袖だ。店潰さずに頑張った甲斐が有ったよ」
「今日、昼過ぎに山崎さんを連れてきます。その前に、ライブやりに行きます」
トモダチのおっさんは少し大袈裟に驚いて言った。
「2回目で、午後からやるのかい?まぁ元旦だから場所は有るだろうけど」
「山崎マネージャーが、セットしてくれます。打ち合わせしました」
「普通にプレイすれば良い。それがライブのコツだ」
美里は、マーシャル3段積みのアンプがなくなっていることに気付かなかった。
そのはしゃいだ背中に、トモダチのおっさんは微笑んだ。
地下鉄を降り
地下街を抜けて
階段を上がる
テレビ塔が見える
人気のないはずの
久屋大通公園に
人が溢れている
人垣を抜けると
マイクスタンドと
マーシャル三段積みのアンプと
レスポールがセットされている
常連さんがミキサー卓に居る
目を見開いて立ち尽くしている美里に、山崎さんが振り向いた。
「美里さん。久屋大通公園を頂きます。僕は本気です」
冷たいはずの冬の風が
二人の間だけ
暖かく感じた。
アーリーデイズ
おーくわーどハートおぶボトムライン第1話に
つづく……




