ー5話コールオブデューテイ
ー第5話コールオブデューテイ
ネット上で、フィメールサーバントバントは話題になった。3人とも1人を頑なに通して来た動画投稿者だったからだ。
しかも腰元姿で、ハードロックは衝撃的だった。
美里は松屋の厨房で、バイトのおばちゃんに、ライトが落ちた話をした。
「そりゃあさ。恭之助君だね」
「まさか、行方不明です」
「思いはね。届くからね。恭之助君以外ないね」
「うん。必ず助けるって言ってた」
「愛してくれてたんでしょ?愛し合ってるなら、そう言う事が有ってもいいんじゃない?」
「そう言う事にしときます。じゃあ時間だから上がります」
「お疲れ様。今日もライブ?」
「トリニティブルーでやります」
美里は松屋を出た。
やけに今日の新宿は人が多いと思いながら、トリニティブルーに近づくほど密度が濃くなった。
最後の角を曲がると、ついに進めなくなった。
腰元姿や暴れん坊将軍姿のコスプレで埋まっている。
「すいませ~ん。トリニティのバイトで~す。出勤させて下さ~い」
すると看板が送られて来て、ヒョイと載せられて入口まで看板ごと送られた。
ライブでサーフに慣れている。女の子なので、気を使ってくれた。
入口で店長が看板から降ろしてくれた。
「これって…」
「あんた達のファンだ」
「ライブやるのも止めるのも危険ですね」
「とりあえずやる。止める用意しながら」
美里は遅れたので、エリア達はすでに、ヘアメイクしてステージに降りていた。
楽屋でメイクしてもらいながら、山谷さんに聞いた。
「看板に乗ってたどりつきましたけど、山谷さんはどうでした?」
「即日キャッシング愛の看板で来ました」
「詳しすぎますよ山谷さん」
「さっき店長とエリアさんが時間半分にして、完全入れ替え制の2部公演にするって言ってましたよ」
「それでも入れない人が出るね」
「スマホのニュースで、新宿首都機能麻痺だそうです。新宿駅半径5㎞身動き出来ずだそうです」
「インディーズバントに、何ごと?よね」
「本物なんでしょ。ブライアンエプスタインがキャバーンに見に行った時、すでに彼らはビートルズだったそうです」
「まさかぁあの子達が?あり得ない」
美里はステージに降りた。
バントはサウンドチェックとリハーサルを終えていた。
「よくたどり着いたね?最悪ベース無しも覚悟したよ。はいっキーとビートリスト」
セットリストのメモを受け取って、ざっと見た。前半1部5曲は曲名が書かれていたが、後半2部5曲は曲名がなかった。
「じゃあもう遅れてるから、緞帳上げるけど?」
美里は質問するのを止めてオッケーマークを出した。
1部はトラブルなく終了した。




