ルミナリア、集中!
ちょっぴりえっちなところが最後らへんにありますのでご注意を。
第51話です。どうぞ。
休憩を終えたルミナリア達は、再び黒いハニーベアの捜索を行っていた。
「見つからねえな……ルミナ、お前はどうだ?」
「うーん……近くにいたらわかると思うんだけど……」
捜索を再開して一時間程経ったが、ルミナリアの感覚も依然としてその気配を感じとることができていなかった。
「ただ、ぼんやりと嫌な感じが周りにあるってことだけはわかるかな。これは何だろう?」
それは、まるで薄い霧のように周囲を覆っているようだった。
「もしかすると、ルミナリアが感じているのは黒いハニーベアの気配ではないのかもしれんな」
「ん、もしかしてそれがなくなったら黒いハニーベアの場所が分かりやすくなる?」
「ルミナちゃん、その嫌な感じってどっちの方かって言うのはわかるのかしら?」
「待ってて、ちょっと集中してみる……」
ルミナリアは、長杖を構えて目を閉じ、周囲に漂う気配の根本を探るべく集中する。
(やっぱり、気配が周囲に広がってる……これはどこから来てるんだろう)
ルミナリアが更に深く集中していくと、周囲に聞こえていた葉擦れの音が徐々に遠くなっていく。すると、ルミナリアの構えていた杖が僅かに振動し始めた。
(これは……杖から何かが流れ込んでくる?)
それは不思議な感覚だった。今まで自分が感じ取っていた曖昧な気配が晴れ、その根源となっている場所がどこなのかが杖から伝わってきたのだ。それどころかもっとその先、遥か彼方まで見通せるのではないかという気さえしてくる。
(これは……杖が教えてくれている……いや、これは杖よりも違う何かの──)
「──ルミナ!!」
ルミナリアが杖から伝わる感覚の先にあるものを感じとろうとしたが、アルルメイヤの声によってそれは中断させられた。
「ほえ……? アルル?」
突然の事に気の抜けた声を出すルミナリアは、自分がアルルメイヤに抱き付かれる形で地面に倒れていることに気がついた。
「ルミナ、全然返事しないからビックリした……」
「そうよ、ルミナちゃんが目を閉じたと思ったらいきなりあの翼が出てきて物凄い魔力を放出し始めるし、どうしたのかと思ったわ……」
「え? そんなことになってた!? そういえば、また魔力をかなり使っちゃったみたい……だね」
ルミナリアは、じっとりと汗をかき、身体の奥が冷たくなるような魔力欠乏の兆候にぞっとした。魔力の放出は完全に無意識のうちにやっていたことだった。あのまま続けていたらどうなっていただろうか。
「ああ、その量がとんでもなかったからアルルメイヤが止めに入ったんだ」
「ルミナ、心配かけないで」
「アルル……ごめんね? ってわわわわっ!」
アルルメイヤがぎゅっとルミナリアを抱き締める。色々と伝わってくる柔らかな感触にルミナリアが赤くなる。
(ん……ルミナの匂い……なんか変な感じ)
ルミナリアの首元に顔を埋めるアルルメイヤは、ルミナリアから香る甘いような匂いに今までにないような奇妙だけど心地よい不思議な感覚を覚えた。
「おーい、いつまでやってるんだ?」
「うふふふふふふ……」
ルミナリアの耳にグリムの呆れるような声と、暴走前の姉の笑い声を聞くと、アルルメイヤの肩を持ち、自分の身体から遠ざけた。
「アルル! ほら! みんな見てるから立って!」
「はっ」
アルルメイヤは、ルミナリアの匂いに夢中になりかけていたところではっとなると、身体を起こし立ち上がった。
「もう……あら?」
ルミナリアもそれに続いて立ち上がろうとするも、上手く力を入れられず、地面にぺたりと座り込んでしまう。
「そりゃあんだけ魔力使えば消耗もするだろうな」
「むしろその程度で済んでいることに驚かされる……」
「あはは……」
グリムとバルドの言葉に、ルミナリアは苦笑いするほかなかった。
「ここで少し休憩して、今日は引き上げよう」
バルドの意見に全員が賛同する。ルミナリアは探索を中断させてしまったことに申し訳なさを感じていたが。
「気にするな、ルミナリアのおかげであいつを探せるようなものだ。むしろ感謝してもしきれん。それにあいつにも手傷を負わせることができた。すぐには襲っては来んだろう」
と、バルドは笑うのだった。
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「ところでルミナ、さっきのあれ何だったんだ?」
「そうね、あれは流石に普通じゃなかったわよ?」
休憩を始めたところで、グリムとフィアナが先程の事について聞いてきた。
「うーん……ただ集中してただけなんだけど……あはは」
ルミナリアが困った風に笑う。
「ったく、あんま心配かけんじゃねーぞ? フィアナのやつも焦ってたし、アルルなんて見ろよ。まだ離れねーじゃねーか」
「ん……」
そう、現在ルミナリアの左には髪の毛をしんなりとさせたアルルメイヤがぴったりとくっついていた。
(な……なんかいつもより近いけど……うーん?)
アルルメイヤの様子に困惑しながらも、心配をかけたせいだろうとルミナリアは特になにも言わなかった。
「ルミナリア、結局さっきので何かわかったのか?」
バルドの問いにルミナリアが頷く。
「うん、大丈夫そうだよ。今ならこの気配の根本がわかる。黒いハニーベアまではわからなかったけどね」
「そうか! それで、その場所はどこなんだ?」
「この山の内側。たぶん洞窟があるんだと思う」
「じゃあ明日、ルミナちゃんが動けそうならそこを目指しましょう」
「だな」
「ん……」
こうして、方針を決めた一行は下山し、宿場町へと引き上げたのだった。
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その日の夜、フィアナ、グリム、バルドの三人は食堂に集まっていたため、アルルメイヤはルミナリアと部屋に残っていた。ルミナリアはやはり消耗していたのだろう、入浴を終えて早々に眠ってしまった。
「すぅ……すぅ……」
ルミナリアがベッドで静かに寝息をたてていると、少し頬を赤くしたネグリジェ姿のアルルメイヤがその横に寝そべり、ルミナリアにそっと抱きついた。
「ん……ルミナの匂い……」
ルミナリアに密着し、その匂いを嗅ぐアルルメイヤ。
(あのときから……なんだか落ち着かない……ルミナ、これなに?)
山で汗混じりのルミナリアの匂いを嗅いだときから妙に落ち着かなかったアルルメイヤ。
「安心するけど……ドキドキする……」
ルミナリアのうなじや髪を嗅いでいたアルルメイヤが、布団の中に潜り込み、ルミナリアの胸元へと顔を近づける。
「ん……ルミナぁ……」
布団に包まれ、先程よりも濃密なルミナリアの香りがアルルメイヤの鼻腔へと流れ込む。
「あれ……?」
その匂いを嗅ぎながら、太股を擦り合わせもじもじとしてしまうアルルメイヤは股間に違和感を感じ、そこを触れる。
「え……濡れ……てる?」
アルルメイヤは、自分の身体に起きたことに困惑してしまった。それもそのはず。ホリティアの王族として一般的な教養はあるが、アルルメイヤにはまだその知識は無かったのだから。
「ん、やだ……なんで? あっ……」
漏らしてしまったのだろうか、と焦るアルルメイヤだったが、僅かに湿るそこを下着越しに触れると、ピリッとした快感があることに気がついた。
「これ……んん……っ」
指でその部分をなぞるように動かすとぞわぞわとした感覚が背筋に走る。それによりアルルメイヤの息遣いが少しずつ荒くなってしまう。同時に、ルミナリアの匂いがアルルメイヤの頭を蕩けさせてしまう。
(これ……知らない……怖いのに……止まらない……ルミナぁ……)
段々と熱をもっていくアルルメイヤの身体。それにより眠っているルミナリアの身体も少し汗ばんでいく。その香りはアルルメイヤにとって媚薬のように頭に浸透していく。そして。
「これ……だめ……あっ……んんっ……!!」
アルルメイヤの身体にぐっと力が入り、全身をビクビクと痙攣させた。幸いにもルミナリアの眠りは深いようで目を覚ます様子はなかった。
「はぁ……はぁ……ルミナぁ……」
その痙攣が終わる頃にはアルルメイヤの下着はぐっしょりと濡れてしまっていた。
「ん……お風呂……また行かなきゃ……ルミナ、ごめんなさい……」
ベッドから降りたアルルメイヤは、謎の罪悪感と幸福感を感じながら再びお風呂へと向かうのだった。なお、入浴を終えたアルルメイヤは、少し悩みながらもいつも通りルミナリアと眠るのだった。
アルルちゃん……
次回再び山へ向かいます。
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では、また次回で会いましょう。
7/19 微修正しました。




