任務
久しぶりにソリトゥスに招集がかかった。ソリトゥスは表立って動くことが出来ない際に影で動くための存在であるという性質上仕事が入らない方がいいに決まっている。だから招集がかかるとそれくらいの非常任務ということになる。そして普通の軍が受ける任務よりも危険度が跳ね上がるのだ。
「来たか」
「はい。してどのような要件でしょう」
オルハ以下ソリトゥス全員が招集された部屋に入り扉が閉められ開口一番にオルハは聞いた。
「ああ、小さな村で人が消えてるそうだ。消えてしまったのはいずれも普通より少し魔力量の多い子供らしい。数年前から続いてるらしいが最近増えてるということで報告が入った。」
「神隠し…ですか」
「神隠しならいつか変えてくる可能性はあるだろう。これが普通の国内なら良かったんだがな。しかし今回報告があった村は国境付近。しかもハイヴェズだ。」
ハイヴェズという名前が出た途端、部屋の空気に緊張が走った。
「因縁深い国になりますね。」
「ああ。だが今回はあくまでも消えた人がどこに行ったかの調査だ。その経過で尻尾をつかめたらそれに越したことは無いがな。」
そう言って王は笑った。
「ではまず村に行ってその子供たちがどのあたりで遊んでいたか、消えた時間などの聞き取りからですね」
「長くなるだろうが頼む。村の方には調査員が向かうと告げておく。武器は見えないところに持つように」
「了解致しました。」