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プロローグ
とある世界のとある小さな大陸に、三つの国が存在していた。シュトラス、レウィア、ハイヴェズ。それぞれが全く違った主義を持っている。平和主義のシュトラス。永世中立国レウィア。資本主義国のハイヴェズ。そしてこの世界では「魔法」というものが存在している。それは火、水、風、土の四属性である。簡単なものであれば誰でも使えるがどんな偉大な魔法使いであろうが絶対に破ることの出来ない原則がある。それは「1属性しか使えない」ということである。つまり水の魔法が使える者は水の魔法しか使えない。創世記にはこの四属性のほかに光と闇があったというが時が経つうちに消えていった。
しかし、とある国はそれに満足しなかった。何とかして多属性の魔法を操る者を造ろうとした。しかしそのような人体実験は他国から批判されることはわかりきっている。だから誰も足を踏み入れない山奥に研究所を作った。そこの研究所では自国、時には他国からさらってきた魔力の強い人間を集めその遺伝子を改良し多種類の魔法を扱えるモノを造ろうとした。その研究は、50年の年月を経て、完成した。