:Episode2 ヘッドホン
Episode:1
さっき、2万4千円のベッドホンが突然壊れた。
音楽を大音量で聴き過ぎたせいか、いきなりプチッと音が出なくなった。
俺はムカついて思わずわざとテレビを床に落とした。
ズドンとテレビが床に落ちた振動を感じて俺はふと我に返った。
何やってんだ俺は。このテレビは15万もしたじゃないか。
たまたま落とした場所には布団が敷いてあって
落ちた振動は多少あったが落ちた音は全くしなかった。
たぶん壊れていないだろうと思いながらテレビの電源を入れてみた。
映像は普通に映るのだが、音が全く出なくなっていた。
最悪だ。15万円のテレビまで壊れてしまった。
それにしても今日は外が不思議なくらいに静かだ…
気晴らしにちょっと散歩にでも行ってみようかなぁ。
End...
Episode:1-2
反対していた両親を押し切って、今日から一人暮らし。
一人で起き、朝食を食べ、ゴミを出して支度を整えた。
憧れの一人暮らしを実現できたことで私は満ち足りていた。
家に鍵をかけ、毎朝花に水をやっている近所のお婆さんに挨拶をして、私は学校に向かった。
End...
※解説は後書きにあります。
Episode:1
本文の一部分に、テレビを落とす所がありますよね? いくらテレビを布団の上に落としたからと言って、『全く』音がしない訳ありません。
そこで冒頭に戻ると、この人物は、大音量で聴いていた時、プチッと切れたと言っています。
これは、ヘッドホンが壊れた音ではなく、人物の耳の鼓膜が破れた音です。
テレビから音が聞こえないのも無理もありません。
Episode:1-2
一人暮らしは普通、親から離れた所でするものですよね。市外、県外、市内でもあり得ます。
が、この人物は、一人暮らしを始めたというに、
毎朝花に水をやっている近所のお婆さんに挨拶をしています。
近所で一人暮らしする身内はいませんよね。つまりこの人物は、もといた家から一歩も動いていません。
反対していた両親を押し切る
は、親を殺した事を指します。