:Episode4 ストーカー
Episode:1
一人暮らしをしている大学生の男がいた。
男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、たまにおかしなことが起こった。
大学から帰ってくるとカーテンの形やゴミ箱の位置などが微妙に変わっている気がするのだ。
最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた、流石に気味が悪くなってきた男は大学の友人に相談した。
男が「もしかして…ストーカーかな? 警察に言うのが一番良いと思うけど…。
警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…どうしよ……」
と困っていると、友人は「…じゃあ大学に行ってる間ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、
もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたらそのテープもって警察に行けば良いじゃん、
不法侵入してるわけだからさすがに警察も動いてくれるだろ」
と具体的な解決策を提示してくれた、やはり持つべきは友! これは良い案だ! と思った。
男は早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して録画状態のまま大学へ行った。
大学から帰ってきた男は焦った、久々に部屋に違和感がある、
「これは期待出来る、マジにストーカー写ってるかも…」
と思いながらビデオの録画を止め、再生した。
しばらくは何も写らなかった。
しかし夕方になると、知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。
「…!!!!!!」ビビった男はすぐに友人に電話をかけた、
「ヤッベー! 写ってる写ってるストーカー写ってる!!!!」と若干興奮気味に伝え、
それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。
「ゴミ箱漁ってるよぉ…」「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」
今までコイツは何回も来ていたのかと思うと
男は背筋が凍る思いだった。
「これで警察も動いてくれるなぁ」と少しホッとしてると、画面の中の女は押し入れに入った。
「うっわ…押し入れの中入ったよ、しかもなかなか出てこない……」
などと友人と喋っていると、また誰かが部屋に入ってきた。
男は言葉を詰まらせた。
部屋に入って来たのは自分だった。
そしてビデオの中の自分はカメラに近付き録画を止める。
そこでビデオは終わっていた。
End...
※解説は後書きにあります。
Episode:1
文の最後を見れば解ります。
男は、大学に行く前にカメラを仕掛け、帰ってきて録画を止め、それを確認。
すると、案の定ストーカーが部屋を漁っている訳ですが、最後に押し入れに入って、なかなか出てきませんよね。
そこに男が帰ってきて、録画を止めた。
つまりは、友人に実況している時、まだストーカーは押し入れにいるという事になります。