#3 レリックシーカー、結成
夜明け前。森の静寂を叩き割るように複数の足音が響く
枝葉を蹴り散らす重装の兵士たちは、獣道を警戒しながら駆け抜けていく
その道はセラフの眠っていた祠へと続く道とどこか似ていた
「おかしい…この森でここまで魔物が活発化することなんて滅多になかったはずだが…」
陰鬱な空気を孕みながら、鳥が囀り出す時間
窓から陽射しが差し込む
日に照らされるセラフの瞼がゆっくりと開く
「また寝ちゃってたのか…」
昨晩、考え事をした末に眠ったセラフは、どこか疲れを残しているようだった
セラフは寝具から身を起こすとそそくさと身支度を済ませる
祠で目が覚めた時にも着ていた黒装束を身にまとい、宿の扉を開けて食堂へと向かう
食堂に着くとエレナが既に来ていた
「おはようセラフ!昨日は疲れただろうし、よく眠れたかな!」
エレナの笑顔には微塵も疲れを感じさせない
その笑顔にセラフも笑って返す
「おはようエレナ、よく眠れたよ。エレナはこんな朝早くどうしたんだ?」
「ええ!?昨日言ったのに!」
そう言われ、セラフは昨日のことを思い出す
そういえば、今日はギルドメンバーとの顔合わせと言っていた
「そうか…今日はギルドメンバーとの顔合わせ…そういえば、昨日の試験も見に来ていたんだろう?」
「そうそう!まあ試験が終わったらすぐ帰っちゃってさ…」
「エレナ!私は飯食って寝る!じゃあな!」
「ええ!マーレ帰っちゃうの〜…セラフにみんなのこと紹介しようと思ってたのに…2人はどうする?」
「あたしも帰るのです…きょうはもう眠いのです…」
「こんのひきこもりぃ〜!!サクラは?」
「私は…」
どうするべきなんだ?みんなは帰ると言っている…
だが、私に特段帰る理由はない…
まあでも合わせるならば…
「私は特に理由は無いが帰るとしよう」
「はぁ!?」
サクラはアホだった
「ってなことが…トホホ…」
とエレナは小声でこぼす
「何か言ったか?」
「いやぁ、なにも!さ!私たちのギルドに行こう!」
そして軽い食事をとったあとに、エレナの案内でギルドへと向かった
ギルドというのは拠点を持っているものだ
エレナたちも例外ではなく、拠点を持っている
今向かっているのはそのギルドの拠点である
「この王都にはいっぱいギルドがあるんだよ!」
「どのくらいあるんだ?」
「おっきなギルドは5つくらい…小さいのも合わせれば100個…くらいあるんじゃないかなぁ?」
「そんなに…」
あまりの数の多さに呆気にとられるが納得した
ここは曲がりなりにも王都。つまるところ国の首都なのだから当たり前の話だ
そしてエレナと話しながら少し歩くと着いた
「お!みえてきた!!」
エレナは大きく手を挙げ指をさす
「ここ!ここが私たちのギルドの拠点!!」
「これが…」
エレナの指の先には豪華な装飾の施された西洋造りの建物があった
想像を超えた大きさにセラフは驚嘆した
「エレナ…こんなに大きな建物だったなんて…想像つかなかったよ」
「…ああ、そっちじゃなくて…へへ…こっち…」
そういってエレナは再度正確に方向を指し示す
現れたのはボロボロの木造の建物
大きさは確かにあるが、いかにも幽霊屋敷。
そんな外装の建物だった
「…ああ…なんか、すみません」
「あはは!!いいんだよー!ややこしかったよねぇ…」
そう言うと先程の建物の説明もエレナはしてくれた
「ここはギルド通りと言ってね!ギルドの拠点がいっぱいあるからギルド通りって呼ばれてるの!」
「なるほど…つまりこの隣の建物も?」
「そだよ!多分メンバー数30人は超えているんじゃないかなあ?」
通り沿いには豪奢な石造りの館や、看板すら色褪せた酒場まがいの家まで並んでいた。
「ギルド通り」は名ばかりで、その実力も規模も千差万別なのだとセラフは知る
「それで僕達のギルドは?」
「セラフ含めて5人!まだまだ新設のギルドだよー!」
そういうとエレナはギルドの扉に手をかける
キィーキィーと不快な音を立てながら木製の扉は開かれる
きっとだいぶ昔に作られた家なのだろう
「よぉエレナ!…そいつぁ昨日のやつか?」
まるで獣のような殺気を常に漂わせている
その瞳の奥には灼熱のような闘志が透けて見える
「マーレ!おはよう!そう!これがセラフです!」
「つまり今日が顔合わせなのだな」
部屋の奥からまた1人出てきた
厳かな雰囲気とどこか抜けているような雰囲気の両方を感じる不思議な人だ
「サクラも起きてきたんだ!てか昨日言ったよね!顔合わせだって!」
「そうだったか?して、シーラはどこに?」
「…まだ眠ってるんじゃないかなぁ…あの子よく寝る子だから…」
「むむ…それは失礼なのですよエレナ…二人も納得してるようなのですが…そんなに焼き殺されたいのですか?」
「ああシーラ!!…ごめんごめん!起きてたんだね!」
「当たり前なのですよ…」
そういう彼女はシーラ
ボサボサの金髪に寝巻きのまま出てきた
起きていたと言うには説得力の欠片もなかった
「それじゃあ!ギルドメンバー全員集まったという事で!みんな自己紹介しましょー!!!」
エレナの合図でその場にいる皆席に着く
ちゃんとこれでもリーダーなのだとセラフは意外な顔をした
「じゃあまずは私から…」
そういうとエレナは立ち上がり自己紹介を始める
「みんな知ってるとは思うけど、名前はエレナで双剣使い!まだまだランクはB判定だけどこれからの活躍に期待してください!」
エレナは綺麗に自己紹介を終えた
この形のテンプレートを作ってくれると後続の者は助かる
リーダーとしてのフォロー力?のようなものを感じさせる
「じゃあ時計回りで行こっか!」
「ということは私か」
「サクラだと反時計回りでしょ!?」
「むっ…そうか…」
サクラと呼ばれた彼女は少し悲しそうな表情をする
それを感じ取ってか
「はぁ…仕方ない…じゃあサクラが自己紹介して!」
「…わかった」
そうして彼女もまた立ち上がる
「私の名はサクラ。ランクはエレナ同様Bだ。盾を使って仲間を守るのを得意としている。よろしく頼む」
先程の馬鹿加減とは相反し、自己紹介はきっちりこなす
このギャップにセラフは少々動揺した
(エレナとはまた違った抜け加減をしているな…)
「みんないい子たちだよ!」
というエレナの言葉とは違い、1人目から個性を爆発させてきているため
セラフはこの後どうなってしまうのかという不安が腹の底から込み上げていた
「次は私なのですね…」
セラフと比べると背はふたまわりほど小さい
そんな彼女は席から立たずにそのまま話し出す
「Cランクで魔法使い…名前はシーラなのです…趣味は寝ることなのです…」
「…終わりです…」
どこか間のとり方が普通の人と合わない。そんな独特な雰囲気をシーラは感じさせた
「やっと来たか…私の番!!」
この特段声が大きい人は記憶に残っている
先程もエレナがマーレと呼んでいたものだ
察するに、エレナといちばん仲良いのはマーレだろう
「私はマーレ!Aランクの魔剣士だ!」
「エレナ、魔剣士ってなんなんだ?」
「ああ…それはね」
魔剣士とは魔法と剣の両方を扱う者の総称らしい
剣に魔法を付与して戦うその姿は圧巻なもので、その才能は稀有な存在らしい
「なるほど…それは凄い…しかも唯一のAランク…」
「ああ!私はすげぇんだ!!分かってんじゃねえか!」
「セラフ!!ダメだよ〜…マーレは自信家だから褒めるとダメなんだよ!」
そう言われマーレの方向に目をやるとそうだろうと言わんばかりの自信満々な顔をしていた
そこはかとなく鼻が天狗のように伸びているように見える
「それじゃ最後に!本日の主役…セラフくんの自己紹介です!!」
そう言われセラフは立ち上がる
自身の素性すら分からない彼にして、自己紹介とは酷なものだ
だが彼は決意した
神の断片を収集し、自分の真実を知ることを
だからこそ、ここで正式な名乗りを上げた
「僕は…セラフ。戦い方はまだ分かっていないし、自分の力が何かもわかっていない…」
数瞬の沈黙を挟む
セラフは葛藤しているようだった
“仲間”が何かも分からずの身。
そんな自分が軽々しく言っていいものなのか?
けれど、ここで言わなければいつ言うのか
この自己紹介でマーレ、シーラ、サクラ…この3人の印象は決まるだろう
ならば、今思っていることを吐き出すまで。
「だが“仲間”となる以上、この身を賭して戦おう…そう思っている…これからよろしくお願いします」
「いいこと言うじゃんか!」
「あつくるしい…なのです…」
「彼とは気が合いそうだ…いい人材じゃないか、エレナ!」
そう言われるエレナの表情は恍惚としたものだった
そして嬉しそうに口を開く
「…うん!でしょ!セラフは凄い強いし…頼り甲斐のあるいい人だよ!…それじゃあ、これから正式によろしくね!セラフ!」
ここでセラフは正式なメンバーとして認められたのだった
そして次の議題となった
1番と言っても差し支えない
ギルドに深く関わる大問題
「それでは…第1回ギルド内会議を始めます!!」
「おう!そんで会議ってなにすんだ?」
「それは私も気になるな。必ず力になって見せよう」
「会議…頭使う…嫌いなのです…」
このギルドは人数こそ少ないが、凄く賑わっている
セラフもこのギルドに早くも馴染みつつあった
だがそこにひとつ疑問が浮かぶ
[[[このギルドの名前知らない]]]
「そういえば、このギルドの名前はなんなんだ?」
エレナは眉を顰めながら言う
「…それなんだよセラフ君…」
「え?」
「そうそれ!!今回の議題はいい加減にこのギルドの名前決めんといかんでしょ!です!」
「まだ決まってなかったのか…」
「そうなんだよぉ…ほら、このギルド、メンバーにまとまりがないでしょ?」
そしてメンバーの方へエレナは目をやる
マーレは気性が荒く、せっかちそうだ
シーラは正反対で大人しいが、どこか陰鬱だ
サクラは…掴みどころのない人、だが真っ直ぐでいい人だ
セラフは内心思った
(…何故こんなメンバーでギルドを…!?)
真っ当な意見だ
普通であれば気の合う仲間や同じような性質の仲間たちで組むものだ
何故だかこのギルドから仲違いの空気はない
そこにもセラフは驚いた
「それならば、私たちの目標を照らし合わせるのはどうだ?これなら明確なものを出せるだろう?」
「いいよそれ!いつもはアホなのにたまには役に立つねぇ!サクラは!」
エレナは小悪魔のようにへへっと笑った
それにサクラは不服そうな顔で
「それはどういう意味だ?」
「まあ!気を取り直してみんなの目標を言い合おっか!」
「おい私の話はまだ終わって…!」
その言葉を遮るようにマーレが言う
「私は英雄になりたかった!これ一択だな!」
詳しく書けばマーレの目標はこうだ
前人未到のダンジョンを攻略し、伝説的なアーティファクトを手に入れ、世界最高の収集者となるのが目標だという
「マーレらしい目標…でもそれは収集者としての誉かもしれないねぇ…」
「…私は…ちやほやされたい…のです」
シーラは小さく呟いた
その目標に一同呆然とする
まあ、大まかにいえばマーレと同じ…ようなものだろうか?
「シーラのようなタイプの人がそんな目標を持っているなんて、少し意外だ」
「…悪いのですか?」
「いや…そんな…」
少しばかり分からない人だとは思っていたが、セラフには少し難しい相手なのかもしれない
「私は収集者として生きるために、両親に納得してもらう必要がある。だから、その為に大きな功績を立てなければならない…これくらいだろうか」
サクラは少しばかりいい家の出だそうだ
家業を継ぐ予定だったが、反発したサクラは家を飛び出し、何も言わずに収集者の道を歩み始めたのだそうだ
「じゃあ次にセラフ!目標はある?」
目標。聞かれてみれば難しいものだ
これを目標としてもいいのか
ダンジョン攻略をすることが前提である以上はギルドメンバーを巻き込むことになる
ぽっと出の自分の目的のためにギルドを巻き込むことに葛藤していると
「セラフ!なんでもいいの!どんときなさい!」
そう声をかけられる
エレナの一言に肩の荷が降りた
だが、そう言われれば言うしかないだろう
決心を固め口に出す
セラフの大きな目標を
「僕は『神の断片』の全てを収集し…自分の真実を明かしたい!」
こうして全員の目標が出され、会議は順調に進み夕時
ギルド名も決まったので、一行は協会へと向かっていた
それはセラフの試験結果を受け取るためだった
道中では、騎士たちが森へと向かってく様子をよく見た
なにか慌てているようだ
だが、何も無くで協会へと着くことができた
エレナが先陣を切り、扉を押し開く
中には昨日同様、アンナが受付としてたっていた
「ああエレナ!それにギルドのみんな!今日は一体…ああ、セラフの試験結果についてかしら?」
察しのいいアンナはそそくさと書面をまとめ一行を席へと案内するとマスターを呼びに行った
「いやぁ…きになるね!セラフの結果!」
少々疑問に思った
一体何を気にするのか
合格は決定事項だとアンナが昨日の段階で言っていた
だからこそ、何を気にしているのかが理解できなかった
なのでセラフは思い切って聞いてみた
「何が気になるんだ?合格は決まってるんだろう?」
そういうとエレナは質問に答えようと口を開く
「そっか…セラフは知らなかったね!確かに合格ではあるんだろうけど…」
「収集者にはランク付けがあんだよ!ランクが高けりゃ高いほど実力のある収集者ってわけだ!」
マーレが細かく説明をしてくれた
ランクは全てで五段階 D.C.B.A.Sの5つだ
Dは新人収集者に多い
実力も一般人に毛が生えた程度で、モンスターを相手取ればタダでは済まない
Cは正式に収集者としてのスタートラインにやっと立てた…と言ったところだろう
ダンジョンやモンスター討伐など、依頼の幅が増える
Bはエレナやシーラ、サクラの持つランクだ
これは認定試験などの例外を除き、特別試験を受けなければ得ることの出来ないランク
つまるところ特別な力を持った収集者達の集まりだ
このギルドのメンバーはエレナを除き、認定試験時からBランクを受けた精鋭揃いだ
エレナは努力を重ね、Bへとのし上がったという
Aランクは国内でも10%を切る割合と言われる
ここまで来れば依頼を断るも受けるも自由
個別に来る護衛依頼のみで生活ができるというネームバリューも着いてくる。つまり大物のランクだという
S…ここからは人とは呼べない人外の力を備えた傑物たちでしか上り詰めることは叶わない
収集の頂と言える
ちなみにアンナは元Sランクの収集者
マスターはAランクだ
説明を受けているうちにマスターとアンナが席へと戻ってきた
マスターが早々にセラフに祝いの言葉を投げかける
「とりあえず…認定試験は合格だ!まずはおめでとう!」
「あ、ありがとうございます…して、ランクの方は?」
「ランクか…これはアンナから説明してくれないか?」
そういうとアンナは書面をまとめて渡してきた
「これがセラフさんのランク…となります…」
そこには大きな文字で“C”そう書かれていた
一同困惑する
曲がりなりにも元Sランクのアンナと戦いのステージへと上がれるレベル
人外の域に足をかけているも同然のセラフがまさかのCランク
全員が全員納得がいってない様子だった
「なんだぁ!?なんでこいつがCランクなんだよ!それじゃあAランクの私の面目丸つぶれじゃねえか!」
マーレは激昂する
強さの一点においてマーレは深い執着を持っているようだ
自分より強いと認めた相手、セラフ
それが自身より低いランクだとなれば、バカにされてるように感じるのかもしれない
マーレ以外のメンバーは何も言わないが、大方同じようなことを思っているようだった
その空気を察してか、アンナが説明を始める
「これには理由があるんですよ…」
「理由だぁ!?そりゃなんなんだよ!」
「ランク付けの基準に問題があるんです…ランクはその人の内側に存在する魔力総量が大きな採点ポイントなのですが…セラフさんには魔力がこれっぽっちもないのです…」
「!?…それはおかしいなのです!あんな大剣を突然空気から生み出す…あれが魔法じゃなければなんだと言うのです!」
シーラは大きく叫ぶ
魔力がないのにも関わらず魔法のような現象が実際に起きている
魔法使いである彼女にそれは理解できなかった
「それについては私も思うところがあるのです…ですが、これに関しては覆せない指針です。これでも少しだけ手心を加えてあげたんですよ?本来ならDだった所を戦闘力でカバーしてギリギリのCにしたんですから!私頑張りましたもん!」
「とりあえず分かりました。一つ質問です。BランクやAランクに上がるには一体どうすれば?」
「ああ…それは簡単ですよ!ランク別試験を受けるんです!そうすればランクは上がります!それか…」
なにか勿体ぶるアンナにセラフは再度聞き返す
「それか…なんですか?」
昨日散々セラフを痛めつけた負い目だろうか…
アンナはすんなり答えた
「大きなダンジョンや任務をこなして特別例として昇格するんです!まあ皆さんは普通に試験を受ける方が多いのですが…」
「まあ心配すんなや。お前の実力ならいつでもBでもAでも上がっちまうだろうよ
マスターがそう言うと一旦セラフの試験の話は終わりを迎えた
次にマスターは聞き返す
「そういやエレナ。ギルド名が決まったらしいがどうしたんだ?」
おそらく昔からの付き合い
エレナのギルドのことは1番気にかけてくれているのだろう
「それはね…」
「へえ…神の断片…通称レリックを全て集めるたぁ…痺れること言うじゃねえの!!」
「それ…みんなの目的と合致する…のです」
「ああ、私もそう思っていたところだ。ところで“ガッチ”とはどういう…」
「じゃあ私たちはレリックを集める収集者ってことか…それなら…!」
「私たちのギルドネーム…それは!」
「神の断片の収集者…『レリックシーカー』___!」
そうしてギルド名の発表、そして腹ごなしを済ませた一行は拠点への帰路に着いていた
「いやぁ〜!さっきのマスター達の反応…めちゃくちゃ良かったね!」
「ああ…でも、なんつーか違和感があったな」
「ああ。期待通りと言った顔だったな。」
「なにか含みがあるようで心配だ」
「それだけ期待されている…なのです」
ギルドに着くと各々自分の部屋へと入っていった
何も出来ず立ちすくんでいると、エレナが声をかけてきた
「セラフ!ここはギルドの拠点でありながら、あなたの家でもあるんだからさ!こっちがセラフの部屋だから今日はもう寝ちゃいな!」
「ああ…わかった。ありがとうエレナ!」
「うん!おやすみ!」
そしてエレナに言われた部屋へと入っていく
部屋は隅々まで掃除が行き届いており、これから来るであろうもうひとりの仲間…引いてはセラフのためにエレナが誠意を込めて出迎えの準備をしていたのだろう
エレナの精神性にはずっと驚かされる
そうして次の日を迎えることとなる。
それはこのギルド…レリックシーカー初のダンジョン攻略となるのだった




