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79 自己肯定感

 ご飯を食べて色々終わらせて、月乃と通話を繋げることになった、と言うのも、


『いちいち文字打つのめんどくさいし』


 とのこと。


「んで、一体なんの用?」

『私に聞く前に、身に覚えがあるんじゃない?』

「…と言いますと」


 もちろん知ってる。だがあくまで知らない風を装ってみる。


『はぁ…じゃあ単刀直入に聞くけど、映画館に居たあるまちゃんと一緒に居た先輩、あれみりでしょ?』

「………」

『沈黙は肯定と捉えるよ?』

「イヤーナンノコトダロウネー」

『その反応だと、私の予想は当たってるっぽいね』

「いや、なんというか、そんなすぐ気づくものじゃなかったはずなんだけど」

『一年くらいずっと一緒にいたんだよ?、肌の感じとか、身長とか、あと顔の配置とか、その辺から総合的に判断しただけ』


 …月乃みちる…恐ろしい人だ。洞察力どうなってやがるんだ、あれをその場で見抜くって。


「にしてもよ、なんで気づいたのか」

『結構わかりやすかったけどね〜』

「多分そんなことを言えるのはみちるだけだと思う」


 こんなのが世の中にゴロゴロいられるとこちらとしてはとても困る。


『で、なんで女装してたのか、聞いてもいい?』

「…そりゃあ聞いてくるか…」

『理由もなく女装してたら怖いもんそれは』

「確かに」


 最初はあるまに女装させられただけだったが、その後ひょんなことから、その女装した状態で雨笠のイメチェンを支援することにしたこと。その過程で、みんなで映画に行くことになって…


「それで映画館に来たらお前が居たと言うことよ」

『なるほど…、だから…それでか…、雨笠さん、前学校で見た時よりすごく可愛くなってて、あの時は別人かと思ったほど綺麗だったよ』

「だよね、俺もそう思う…だけど」

『何か思うところでもあるの?』


 …思うところ…か、


「服とか揃えて綺麗になったし、メイクも段々と覚えてさらに綺麗になっていくと思うんだけど…自己肯定感が絶望的で…なにやるにも自分なんか…とか自分なんて…って自分を下げるような言葉から入っちゃうから…もうちょっと自信を持てれば、周りからも注目されるようになると思うんだけど…」

『元々自信のなかった子が、あるところをきっかけに元気っ子に変わったら、きっとみんな驚くよね』

「多分」

『…私は高校デビューで元々根暗気味だったのが、一転元気っ子に変わって見せたっていう実績があるんだよ?』

「それは果たして実績というのかな?、使い方が間違ってるような気がしなくもないけど」

『いいの!…というわけだから、明日学校でお昼の時間にでも話そ!』

「…あるまと一緒でいいならね」


 〜〜〜


「と…いうわけで…」

「雨笠ちゃんのイメチェン計画をしてると聞いて、私の経験が役に立つかなって思って協力したい所存です!」

「…なにその言葉遣いは」


 幸いここは屋上である。冬の寒い時期、こんなところに来てご飯を食べるようなやつはほとんど居ない。…ちょっと困ったことがあると言えば、いつもあるまが迎えに来て一緒に屋上に向かうところに、みちるまでついてきた為、一体何事だと、クラスがちょっと騒然となっていたりした…帰った時問い詰められるかもなぁ…。


「やぁモテ男くん!、今日も元気にやってるかい?」

「柊か、帰れ」

「久しぶりの登場なのにその扱いは流石の俺も泣くぞ?」

「モテてるわけじゃない、ただ話があったから一緒にご飯を食べていただけの話だ」


 そうなのだ、それで周りに誤解されても困る…というのも…


『私は…高校に入る前は、本当に冴えない女の子だったの…』


 あるまは、月乃の過去を知らない。いかにして、今の元気っ子スタイルが出来上がったのか。そこに至るまでの経緯を軽く話していた。ただもちろん、そんな短い時間で話し切れるわけもなく、今日の放課後、あるまの家で改めて時間を作ることになったのである。


「ふーん、まぁそれを周りの人がどう取るかはわからんけどな」

「そうなんだよなぁ…」


 自分がやっていないことであろうと、噂として広まってしまったものはもう抑えることはできない…二学期の頃は本当に変な噂に悩まされたものだ。あの時はなんとか晴らすことが出来たが、次何かあるとどうなるかわからない。


「まぁどう転がろうと、否定し続けるだけだよ、それにあの場には絶対にあるまがいるわけだし、二人きりで会ってるわけじゃないし、浮気だのなんだの言われることはない…って思いたいんだけどねぇ…」


 それでもねじ曲がった考え方をする人間はいるから、起こることは止められないのが現実である。


 柊とそんな話をしたりして、放課後。三人であるまの家に向かっていた。

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