61 解けるわだかまり
『それは本当か?、ちょっと話を聞かせてもらおうか』
俺が言葉を言い終えたところで、雨笠が呼んでくれていた先生が到着したらしい。最初はのらりくらりと言い訳をしていたが、あるまを人のいない場所に誘導していたのを見ていた雨笠と月乃の証言、そして途中からスマホのボイスレコーダーを用いて録音していた音源、あと当地者からの証言で、斎藤は連れて行かれた。
『後日…と言いたいが、明日からもう学校がないから…話聞くために少し残ってもらっててもいいかな?』
今回の件について、なにがあったのか事情聴取的なのを受けるために学校にしばらく残ることになった。その中で月乃が話しかけてきた。
「……前は、あの人の流した噂を信じて、藍星君のことを振ってしまって…本当にごめんなさい」
「いや…もう気にしてない…と言ったら嘘になるけど、自分が悪かったんじゃないんだからいいよ、大丈夫」
「でも…私、あなたのこと傷つけちゃった…!、でもほんとは、あなたのことを信じたかった、でも結果的にあなたのことを裏切ってしまった…」
月乃は、俺と別れることを勧めた友達にある程度噂のことを気づいていると話したところ、すぐに白状して謝ってきた。私が当時、あまり藍星君のことをよく思ってなかったこと、そんな中金銭報酬に目が眩んで協力してしまったこと。あの時はすまないことをしてしまったことを謝りたいと言っていたことを伝えてくれた。
「…そう考えると、俺らってとことん被害者だな」
「あ…その、本当に、ごめん」
「いや責めてるわけじゃなくてさ」
あと月乃は衝撃的なことを教えてくれた。別れた後、何股もしているという噂に疑問を持ち、あるまと二人で帰っていたところをたびたび尾行していたこと…え、たまに後ろから見られているような気配を感じたような気がするのはこれだったのか!。
「私は…まだ藍星く…みりと話していたかった、だからさ」
「う、うん」
「これからはまた、友達として、世間話や相談に乗ってくれたら嬉しいな」
「それくらいなら大丈夫やで」
そう言葉を交わして、お互いに笑い合った。
「ちょっと!!!、みりのことは絶対渡さ…返さないんだからね!」
月乃と話していたところに、あるまが入ってきて嫉妬したふうに頬をぷくっと膨らませながら腕に抱きついてきた。
「もう、藍星君には立派な彼女さんがいるみたいだし、あーあ、あんなのに騙されずに別れなかったらよかったな〜、なんてね。あ、ちょっと宵闇…、ねぇ、これからはあるまちゃんって呼んでもいい?」
「もう…いいですよそれで」
「やったーー!、これからよろしくね〜、てなわけで藍星君、ちょっとあるまちゃん借りてくね〜」
「変なことすんなよー」
ここ二ヶ月ほどのわだかまりが解けて、自分の中の重荷が解消されたことで、これからも頑張ってみようという勇気が出てきた、そんな二人なのであった。
〜〜〜
長きに渡る陰湿な嫌がらせや、今回の行動が問題となったのか、はたまたこう言うことがあったら毎回行われるのか知らないが、生徒指導含めた先生たちによる事情聴取は計何時間も続いた…。俺だけじゃなく、複数人いたと言うことも関係していると思うが…そんな影響で、学校が終わったのは12時なのに、今の時刻は16時を回っている。
「…ねぇ、みりは本当に私のことを愛してるんだよね」
「そんなこと言うまでもないと思うが」
「…そっか、よかった」
「???、なんかとりあえずよかったってことでいいのか」
「…私の考えたデートのプラン、全部できなくなっちゃったね、うん、とっても残念」
「起きた事が事だから多少は仕方ないと思うけど…残念だね」
さっきの出来事のインパクトが強すぎて、デートのことを忘れかけていたと言うのは黙っておこう。
「でも、今日出来なくても、この先もずっと一緒に居るなら、いつか出来るはず…それにまだ夜の部が残ってる…ちょっと予定は狂っちゃったけど、晩御飯から、俺の考えたクリスマスデートのプラン、はまだ消えてないよ」
そう言うと彼女はまた笑顔になって、
「楽しみにしてるからね!!!」
絶対に笑顔にしてあげなければなって、そう思った
〜数時間後〜
「用意出来たよ〜、行こー!」
俺の前には、最高に綺麗に髪から服までセットされた完全美少女であり美女"宵闇あるま"がいた。




