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54 気晴らしに

「柊、何かわかったことない?」


 あれから二日経った。噂は以前囁かれている…が、もうかなり広まってしまったようで元を辿ることが難しくなってしまっている。これじゃイブに間に合わないなぁ…。


「残念ながら特に、友達にそれとなく聞いてみたりしてるんだが…有力な情報はないな」

「そうか…なんかすまんな」

「気にすんな、俺がそうしたくてしてるんだからな」


 噂が広まったからなのか、俺に話しかけてくる人はほとんど居ない…いやかつても話しかけてくる人は居なかったから、一昔前に戻っただけと言えばそうなのだが…。


「ま、そう急ぐこともないだろ、人の噂も七十五日と言うからな、いつか噂なんて消えているものだよ」


 柊は今も昔も変わらず話しかけてくれる。本当に良い奴…である。


「と言うか最近ずっと噂のことばっかりじゃん?、そんなんじゃ気分も落ち込みっぱなしだろ?、放課後遊ぼうぜ?、最近遊べてなかったしさ」

「それもそうだな」


 あるまに確認取らないと後々詰められることになるか連絡入れとかなきゃだけど…拒否されることもないでしょう…そう思った俺はあるまにメッセージを送っておくことにした。


 みり:あるま〜

 あるま:どしたの〜

 みり:今日男友達と放課後遊んできていい?

 あるま:…女の子は居ないよね?

 みり:男友達と二人で遊ぶんだって!

 あるま:あ、もしかして柊さん?。ならいいよ、楽しんでおいで〜


 どうやら了承をくれたようだ。女子が居ると絶対許可くれないんだよな…そもそも一緒に遊べるような女友達は現時点居ないわけだが…あれ?、俺男友達の名前がひいらぎだってことを教えた記憶ないんだけど???…なぜ知っているんだろうか…俺が知らぬ間に教えていたのだろうか…やっぱり覚えがない…。


「どした?、もしかして許可もらえなかった感じか?」

「いや、それは貰えたんだけど…なぁ、柊ってあるまと面識あったっけ?」

「いや、俺も名前と顔を知っているだけで面と向かって話したことは一度もない」


 …と言うことはあるまと柊が知り合いでした〜、みたいな展開はない…ならなぜ?。いちいち追求しているといつまで経っても終わらない気がする…。なぜこうも謎が積み上がっていくんだ?。


 〜〜〜


「ってなわけで、学生が帰りがけに遊ぶ場所と言えばカラオケだろ、ということで…歌うぞーーー!!!」

「だからうるさわいんだわ」

「カラオケなんで騒いでなんぼだろ!!!、お前も歌うぞ!」


 俺と柊はカラオケに来ていた。確かにどの学園アニメやマンガでもカラオケに行く展開は割とメジャーなことのように思う。


「と言っても俺、歌う曲ほとんどないんだよな」

「知ってる曲適当にぶち込んどけばいいじゃないか!!!」

「その知ってる曲がほとんどないって言ってるんだよ」

「なら俺の歌を聞け!」


 柊は我先にと曲を入れて歌い始めた…場を盛り上げるような曲だ。


「お前って結構力強い歌い方するよな」

「それは褒め言葉と受け取って良いのかな!!!」

「スキニシロ」


 音程が綺麗にあってるわけじゃないが、アレンジを多用した自己流の歌い方が確立されていて、聞いていても特に違和感がない。場を盛り上げるのに最適だと言える。


「じゃあ次歌うわ」

「お、じゃあ俺は聞かせてもらうとするよ!」


 その一方で俺は、少ししんみりとした曲調…ジャンルで言えばなんだろう…バラードと呼ぶのかな?、あーいう類の曲を得意としている。音程を合わせて丁寧に歌う、なのでカラオケでの採点ではかなり高得点を取れるのだ…まぁ、特徴という特徴がなかったりするのだが。


「〜〜〜♩」

「お、良い歌歌うね〜、Good job!」



 親指を上に向けてグッドサインを出してくれている。ひとまず良かった。元カノとカラオケに行くことは何回かあったが、こうして友達と二人でカラオケに来ることはほとんどないから実はちょっと心配だったのだ。


「ふー、ちょっと休憩するわ」

「OK!…と、俺も散々歌ったら喉が渇いたからドリンクバーで何か入れてくるよ、藍星は何がいい?」

「ジンジャーエールで」

「りょうか〜い」


 コップを二つ持ってジュースを次に部屋を出た…今のうちに何かメッセージが来てないか見ておくことにしよう。


 あるま:今日はみりの家で晩御飯食べさせてもらうことにします!、私も手伝ってご飯作ってるんだからちゃんと帰ってきてよね!


「ふふ、ありがたいね」

「ただいあ〜、はいジンジャーエール」

「ありがと」


 あるまのメッセージにクスッと笑いながら帰ってきた柊とカラオケを楽しむのであった。

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