46 期末テスト⑤
「終わったよ〜、みり、そっちはどんなかんじ?」
「あー…うーん」
正直微妙というか…思ったより点取れてないと言うか…あんなに勉強したのに、もうちょっと取れると思ってたのに…、絶対に悪い点を取らないためにも、あるまに付き合ってもらってたくさん勉強したというのに…
「正直微妙…だったかも」
「んー、私に見せて!」
「あ、ちょ!」
自己採点した紙をかっさらって行くあるま…それをまじまじと見てから口を開いた…一体なにを言われるんだろうか…
「うん、まあまあ良いんじゃない?」
「…え?」
「これまで40点くらいしか取れてなかった教科も、今回は70点超えてるじゃん!、前と比べたらとっても良くなってると思うよ〜」
…てっきり、こんなに勉強に付き合ったのにこんな点しかとれなかったの?、とでも言われるのかと思って身構えてたから、なんだか力が抜けちゃった。
「でも、この点じゃ納得してないって感じだよね」
「…あれだけ勉強したんだからもうちょっと取れると思ったんだけどなぁ…」
「うーん、これだけ取れてたら平均点下回ってる教科はないと思うし…十分だと思うんだけどね〜、でも、納得してないってことは自分はもっと取れると思ってたってこと!。いつものみりなら、やったーこんなに取れた〜満足満足とか言ってるよ!」
「…たしかに」
これまでの俺ならおそらく…いや絶対そう言っていた。いつもは40点くらいしかとれない教科が70点以上取れているのだ。調子に乗って周りに自慢していたかもしれない。でも今回はそうは思わなかった。これだけしか取れなかった、悔しいと思ったのだ。
「悔しいって思うってことは次はもっと頑張ろう、って思えるの!、だから全然悪いことじゃないんだよ〜、みり、よく頑張ったね!」
「あ、あ、あり、ありがと!」
急に言われたから、性にあわない反応をしてしまった。
「それにすぐ100点が取れる人なんて居ないし!、これからコツコツ頑張っていけばいいんだよ!」
そうしていると、頼んだ定食が運ばれてきた。
「やっぱ寒い時期も鍋物は好きやな〜」
「定番のもおいしいよ〜」
「そっちは…あぁ、唐揚げ定食か、結構ガッツリ食べるんやね」
「ん、なによ、そんな見つめてきて、ガッツリ食べちゃダメだっていうの〜?」
あるまから圧のこもった言葉が飛んできた、
「いや、そういうことじゃなくて…あれよ、女性って体重のこととか気にしてあんまりご飯食べないって人も居るじゃん、あるまはその辺りどうなのかな〜って」
「そう言われてみると、確かに女子ってあんまり食べない人が多いかも…なんでなんだろ?」
「やっぱ体重とかの関係なのかな?」
「うーん、私は朝早く起きていつもランニングしたり運動してるから、そのエネルギー補給のためにたくさん食べてるって感じだし…」
「まぁ体動かしてるならエネルギー必要やろなぁ〜」
「わたしの周りの女子にもいるんだけど…みんな痩せたい痩せたいって言う割に運動してないの!、痩せるのも、スタイルを良く保つのも全部、栄養バランスの良い食事を取って、適度な運動!、これが最優先!」
たしかにね、いつの時期か糖質オフダイエットとか流行った時期があったが、あれも運動という痩せるうえで一番大事な、適度な運動という行為を避けてるだけなのだ。うまい話はない。ダイエットしたいなら、それだけ努力をしなきゃいけない。
「だから私はいっぱい食べる!、あ、ご飯おかわりお願いしまーす」
「話してる隙に、ごはん一杯食い終わってる!」
「へへ〜、私のが早く食べ終わっちゃうよ〜」
「いや競ってるわけじゃないし」
こういう話を聞いていてつくづく思う。今のあるまの美女と言っても差し支えない容姿、それは一朝一夕の努力ではない。きっとこれまで数え切れないような苦労、何年もの期間の努力の積み重ねによるものなんだってね。
「みりもダイエットとかしたいなら、しっかりご飯食べて適度に運動するんだよ〜!」
「生憎太ってないので大丈夫です」
「え〜、でも朝早く一人でジョギングするの、結構心細かったりするんだよ?、だから一緒に走って、なにか話しながら出来たら良いな〜って思ってるの!」
「まあ行けたら行く」
「それ絶対来ないやつじゃん!」
一秒でも長く布団の中に居たい自分からしてみると、ちょっと受け入れがたいことではあるし仕方あるまい…
「もー!、いつか絶対付き合わせてやるんだから!」
そう言いながら、届いた二杯目のごはんと残ったおかずに手を付けるあるまなのであった。




