44 期末テスト③
だから今日は遅くまで頑張って覚えようとしていたのだが…
「よし!、今日はこの辺りでおしまい!」
「え、でも最終日だし、遅くまでやって少しでも覚えたほうが…」
まだ11時である。2時くらいまで起きて頭に叩き込む予定だったのだが…
「どのみち私は帰らなきゃなんだけど…もしかして、みり、これまで一夜漬けでテスト勉強やってた?」
「徹夜はしてないけど…まあ一夜漬けみたいな感じで前日に覚えてた」
「…あー、みり?、それ一番やっちゃいけない」
これまでの勉強法が否定されてしまった。なにがいけないと言うんだ、前日、できるだけ直前に勉強したほうが覚えたことを忘れなくて良い方法だと思うのだが。
「前日になってから覚えても、それって頭に定着しないの。そりゃテストの日には覚えてるかもしれないけど…どうせ忘れちゃうんじゃ勉強してる意味ないじゃん」
「テストで点取れれば良いような気もするんだけど…」
「ダメ!、それに夜遅くまでやってたら、肝心のテストの時に眠くなっちゃうんだよ?、そうしたら頑張って覚えてきてたとしても頭が回らなくて、結局書けませんでしたーってことが起きちゃうの!!!、だから前日は早く寝て良いコンディションでテストに臨むのがいいの!」
…そういうものなのだろうか…俺はこんなにちゃんとテスト勉強ということをしたのは初めてだからどうするのが正解かは分からない。ただきっとあるまが言ってることは合っているのだろう。だって今までそれで一位をずっとキープしてた人だ。だから…
「あーわかったわかった、寝るから、寝ますから!」
「…もしちゃんと寝なかったらまた今度お仕置きだからね?」
「ヒィ」
そう言ってあるまは帰っていった。この一週間、ずっと一緒に勉強に付き合ってくれた。これだけ頑張ってくれたんだ、今度は自分が結果を出す番だ。
「…でもちょっとだけ追加で勉強を…」
『…もしちゃんと寝なかったらまた今度お仕置きだからね?』
「…やっぱ寝よ」
もう少し勉強したさはあったが、テストで良い点出すためには寝た方が良いと思いとどまった…というのは建前で、あるまは度々洒落にならないことをしてくることがあるため、そのお仕置きが怖かった…というのが本当のところである。
〜〜〜
「おはよ、あるま」
「おはよ〜、テスト頑張ろー!」
高校二年生、二学期期末テストの日だ。
「…はぁ」
「朝から大きいため息ついてどうしたの?」
「…いや、あんなに勉強付き合ってくれたのに悪い点取ったらどうしようかと思うとなんだかね」
「大丈夫!、あれだけ何回も解いたの!、それに私も教えてあげたからさ、だから大丈夫!、きっと良い点取れるよ〜」
「まぁ頑張ります」
「その意気でいこー!」
テストの日だと言うのになかなかハイテンションだ、そんな心意気を俺も持ちたいものだ…教室に着くと聞こえてくる会話も、
「おいおい、今日の数学どう?、おれ全然勉強してないわw」
「俺も俺も、正直数学とかわからんよな〜、公式とか覚えるもの多いし」
「俺はちゃんと勉強してきたし、今回は上位取らせていただきまーす」
「おい!、裏切り者!」
なんともテストの日といった感じの会話である。
「やあ!、お前はちゃんと勉強してきたのかな!」
「暑苦しいわ…まあ今回は、そこそこね」
「!?、いつも勉強してこないお前がテスト勉強をしている!?、きっと明日は大雪だな」
「大雪になったら学校来るの超めんどくさくなるのでやめていただきたい」
柊との会話もテストの話題だ。
「そういう柊はどうなんだよ、いつも結構成績良いほうじゃん」
「ふっふっふ、今回も抜かり無く!、ちゃんと点取れるように勉強してきたぜ!」
「ふーん」
「お前から聞いておいてその反応は軽くない?、もっとなんか言えよ〜」
「逆に何を聞けば良いんだ?」
「それは…、なんか、あれだ、それっぽいこと聞いてくれればいいんだよ」
「なんも思いついてないんだから聞き返すこともないってことじゃないか」
「藍星は、もっとノリ良く生きていこうぜ〜」
まったく余計なお世話というものだ。
「よう藍星、あと柊も」
「お、斎藤か、どうよ調子は」
「俺にその話を振るより、まずは自分の心配しようか」
「ああそうか、お前成績良いもんな」
"斎藤 修"、どこぞの今でしょ!、の人と名前が同じ斎藤だがちゃんと頭もいい。常に一桁順位と取っている優等生なのだ。
「まあ今回はちゃんと勉強してきたから多分大丈夫」
「何位とれるか楽しみにしているよ、ま、俺は超えられないだろうが、精々頑張ってくれたまえ」
「言い方ウザ」
「おーい、そろそろテスト始めるぞ、筆記用具だけ準備して席につけ」
「おっと、もう時間か」
今こそ勉強の成果を発揮するときだ。




