42 期末テスト
「さて!、家に帰ってきたことだし、テスト勉強しよ!」
「…ちょっと休憩しない?」
当たり前のように家に上がり込んでくることには、もはやツッコむまでもない。
「だーめ!、休んじゃうと体が休憩モードに入っちゃって、そのままダラダラとしちゃうんだから!、だからそのままの勢いで勉強始めちゃうの!」
「…まあ飲み物だけ持ってくるわ」
休憩くらいしたいな…と思いつつ、ちょっと前のことを思い返してみると…
〜〜〜
『はぁ、テスト週間だしさすがに勉強しないとなぁ、でもちょっとこのゲームのデイリー任務とかだけ終わらせてから…』
…二時間後…
『みりー、もう晩ごはんよー』
『了解ー、下りるわー』
〜〜〜
『昨日はゲームして終わっちゃったし、今日こそは流石に…あ、待って、もうあのゲームの精錬作業終わってる時間じゃん、あれだけ受け取っとかないと』
…一時間後…
『…また勉強してないやん!』
〜〜〜
…うん、休憩と言ってまともに勉強した試しがないや。あるまの言ってることは正しいのかもしれない。
「ジュース持ってきたでー」
「ありがと〜、そのへんに置いといて〜、勉強しながら飲も〜」
そうして二人で一緒にテスト勉強を始めたわけなのだが…
「…あれ、一緒にやるって言っても学年違うし…こういう時によくある、わからない問題教えあうみたいなやつ…あれ出来なくない?」
誰かの家に集まって一緒に教え合いながら夜までテスト勉強をするイベント、そういうアニメなどを見ているとよくある展開じゃん?、でもああいうのってお互いが同学年だから成り立ってることであるわけで…つまり何が言いたいかというと、俺とあるまは学年が一つ違う。
どっちかと言うと俺が一個下のあるまの勉強を教えてあげる展開の方がメジャーであるはずなのに、あるまは成績優秀で、俺はあまり勉強が得意でない。
あるまがいくら頭が良いとは言っても、一つ上の学年の勉強なんてさすがにやっているわけがないのだ…だから一緒にこうやって勉強していても、あまり意味のないことのように思うのだが…
「ん、みり、ここの問題間違ってるよ?」
「…あ、ほんとだ、気づかんかった…、え、解けるん???」
俺が間違っている問題、俺の学年でも最近習っているところであるまが習っているはずがない問題…であるはずなのに、俺の答えが間違っていることに気づいてしっかり指摘してきたのだ、さすがに驚かないわけもなく…
「みりなら気づいてると思うんだけど、私って勉強出来る方なんだよね」
「知ってる」
「中学生の頃、先生にもっといい高校行けるって言われたのを振り切ってこの高校に来てるの、つまり」
「これくらいの内容、苦じゃないと」
「そういうこと!」
…いくら勉強出来る方で、なおかつ学校のレベルが高くないとて、一年先の内容まで覚えちゃってるのは…いや実際覚えてるのだからそうなんだろうが…
「だから授業中暇なんだよね〜、それで予習進めていったり…あとスタディサ◯リとか使ってどんどん先まで覚えていけば、こんなことも出来ちゃうってわけ!」
「これは流石…と言わざるを得ないね」
「素直にすごいって言ってよ!、そんな回りくどい言い回しせずに!」
「これが俺のスタイルだってこと、昔から居るんだからわかってるんじゃない?」
「わかってるけど…こんな風に納得したくないんだよ〜!、むー!」
頬を膨らませてぷんすか怒っている、何度も言うが可愛い。
「そんなことより!、問題解く手が止まってる!、進める進める、そんなに余裕ないんだから!」
「…ちょっと休憩させて〜」
「もう一時間半経ってるからねー、よし、ちょっと休憩していいよ、あ、もちろんゲームはダメだよ!」
「わかってるって、さすがにゲームはしないよ…あ、一つ聞きたいんだけど」
「ん、なに」
暇だったから一年先までの内容を予習したと言っていたが、ただ暇になっただけでそこまでやるだろうか?、する必要のないことだ、自分なら絶対やらない、だからなぜが気になったのだ。
「さっき教えてくれてすごく助かった、だけど暇だったからってだけで一年先までの内容を覚えておくって労力とか色々すごいと思うわけよ。だけらなにか他に理由とかなにか無かったのかな〜って思って」
「たしかに、大変だし、必要か必要じゃないかって聞かれたら必要はないね…でも」
「…でも?」
「でも、私がこうやって覚えていたら、みりがわかんなくても教えてあげられる、力になってあげられる…私がみりの役に立ってるって、そう思えるだけで幸せなの。だから大変でも頑張って覚えたの…こんなところかな」
俺のために…ということか
「ふふ、なんだかむず痒いね」
「というわけで休憩終わり!、続きやってくよー!」
「あと一分休憩させてください」
飲み物をあたらしく継ぎ直してから、俺達はテスト勉強を再開した。




