39 ずっと続くはずだったもの③
「はい、これ報酬の一部、無事別れさせれたら、あと残り全部渡すから」
「ありがとね〜、でもこんなんでお金貰っていいの?、藍星のこと嫌いだから協力するだけだよ?」
「いいんだよ、それとも報酬減らすか?」
「ありがたく頂戴いたします」
親友を騙すのは心苦しいが、これであいつらが別れてくれて、オマケに金がもらえるんだから上手い仕事だな。それにしても…
「…ねぇ、」
「おっと、ここまはSと呼んでもらおうか」
「その必要ある?、あなたも中二病患者かなにか?」
「ここ学校じゃどこに誰の目があるかわからんからな、用心するに越したことはないんだよ」
「はぁそうですか」
「それより最後まで、頼んだよ、」
人任せな…まぁお金貰ってるからやりますけどね。
〜〜〜
…あれからみりくんとどう話せばいいか分からなくなった。私はやってないと信じたい。だけど、もう諦めて別れようよという、もう1つの心の声が私を揺るがす。私はどうすればいいの?
「まだ藍星のこと諦められないの?、一番愛されてるわけじゃないのに、あいつには他に好きな人が居るのに、それでも近くに居たいと思うの?、私には理解できないね」
「…簡単に諦められたら…苦労しないよ…」
私の初めての恋人なんだよ?…それなのに、こんな終わり方なんてないよ…
「そうだよねー、そうだよねー、辛いよねー、でもそんな奴だったんだよあいつは。だからとっとと切り捨てて、新しい出会い掴んじゃお?、そっちの方が楽しいよ!。月乃ちゃん見たいな可愛い子があんなやつに騙されてるところ見てたくないよ!」
「…そう…かな?」
もう…別れるしか…ないのかな…。
「別れるなら、もうアンタに興味なくなったってことにして、速攻で振った方がいいよ?、浮気がどうこうを問い詰めてもしらばっくれて引き留めようとするだろうしさ。そっちの方が後腐れも無くなっていいんじゃない?」
「……うん…」
なんで…いつからあなたは…みりは私のことを騙してたの?…それとも私のことなんて、最初から興味無かったの?、教えてよ、ねぇ、私はなんのためにあなたのそばに居たの?
〜〜〜
…なんでここまでしても別れる決断をしないのかしら、そもそもなんでそこまで目立つ奴じゃない藍星と、みんなの人気者の月乃が付き合ったんでしょうね。お前なんかじゃ釣り合ってないっつーの。それなのに月乃を魅了するとか、藍星なんかと一緒に居るような程度の低い人になられちゃこっちが困るから、私がこの子を正しい道に戻してあげなきゃね。
「ねぇ月乃、藍星と別れた後に、あんな奴と別れられて良かったってことで祝賀会やろうよ、」
「…その気遣いはありがと…でも私そんな気分じゃないや…、ごめんね」
「いいのいいの、いつでもいいからね、私は月乃が心配だからさ」
「…ありがと」
…早く私の手で、この子を幸せにしないと…
〜〜〜
今日別れを告げることにした。雲霧ちゃんと別れる時にいうことも考えた。でも心苦しいや、1年も一緒に居たのに、別れるのは一瞬なんだし。
「大事な話って、なに、みちる」
「あ、いや、その…」
でも…彼の顔を見ると、私の決意が揺らぐ。1秒でも長く一緒に居たいと思ってしまう。でもダメなんだ、この人は何人もの人と渡り歩いてるらしい、その写真も見せられたんだ、もう一緒にいる訳にはいかない…分かってるのに。
…そんなことを思って教室の外を見ると…雲霧ちゃんがこっちを見守っている…言うしかない。
「あなたとなんて、付き合わなかったほうが良かった」
「……え…」
彼は酷くショックを受けている様だった…とても演技には見えなかった…、ダメなんだ、言わなくちゃ。
「アナタといる時間、楽しくなんてなかった、だからもう別れて欲しい」
「……わかった…今までありがとう」
彼はそう言って静かに去っていった…なぜだろう、酷いことをしたのは、彼が先だったはずなのに…なんでこんなにも心が痛むんだろう。
「…お疲れ様、大丈夫?」
「…うん、大丈夫…だよ、うん、大丈夫…」
…あれ、なんでこんなに涙が出るんだろう。なんでこんなに悲しいんだろう。
「これまで辛かったよね、苦しかったよね…もう大丈夫だよ、だから、もう、泣かないで…」
「うぅぅ………うぅ……!!」
私はなんに対して泣いているんだろう、もうそれすらも、分からなくなりそうだった。




