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37 ずっと続くはずたったもの

「あの月乃と付き合った奴が居るみたいだぞ!」

「え、あの色んな人の告白を断り続けたあいつだぞ?」

「でも本当らしいぞ」


「おっはよ〜!、みり!」

「みちる、おはよ…って学校で急に抱きついてくるのはダメだって」

「えーいーじゃん」


 正直言ってめっちゃ可愛い。だけど、そんな抱かれると、そのおっきいやつがずっと体に押し当てられてるのが…とても男子高校生の精神衛生上とてもよろしくないので…


「ダーメ、離れて離れて、これでよし!」

「もー、まったく」


 そう学校でイチャイチャする姿を見て嫉妬の目線を浴びせてくるものが大半な中、俺の友達、いや親友だけは違った。


「いやーお前にも彼女が出来たか、俺は誇らしいぞ!」

「なぜお前が誇らしくしてるのか俺には全くわからん」


 柊だ…あ、そうかコイツモテ男だから他人が彼女居ようがなにも痛くないのか…強いな。


「そんな冷たくしなくていいじゃないかマイベストフレンド君?」

「いちいち横文字にしなくて良くね?」


 当たりが冷たく見えるかもしれないが、これが日常なのだ。


「もー!、2人でなに話してるの!」

「別に普通の友達と話すのくらい良くない?、男同士なんだし」

「でもそばに居る私を差し置いて話すのは良くないと思うの!」


 どうやらご立腹の様なのでここまでとしておこう。…そうして、日常の日々に"月乃みちる"が入ってきたことで、高校生活はもっと華やかなものになっていくのだった。


 お昼ご飯を一緒に食べ、途中まで一緒に帰る、そんな日々。それに特別なイベント事の時にも思い出を重ねていった。


「クリスマス…あんまり好きじゃないんだがな」

「私が居るんですよ!、退屈なんてさせないから!」


 クリスマスにぼっちじゃないことを喜ぶべきなんだろうな…、まぁどう楽しめばいいかなんて知らないんだけど。


「でも…こういう時なにして遊ぶかわかんなくない?」

「それはそうなんだけど…」


 学校では元気っ子で通ってる月乃も取り繕ってるだけで、本当のところは、独りぼっちの時間が多かった1人の女の子なのだ。


「でもクリスマスなら駅前とかイルミネーションとか綺麗になってるんじゃない?、一緒に見に行こ!」

「分かった、じゃあ詳しい予定はまたLAINで話そー」


 …そうして迎えたクリスマスイブ…


「なんでクリスマスってこんなカップルが多いんだろうな」

「そりゃあ…だって!、こんな特別な日、愛を伝えるにはぴったりな日じゃん!」

「そう…なのかも?」


 たしかにクリスマスは特別な日…辺りを見ればカップルが数多く居る駅前通り。


「イルミネーション綺麗だね〜」

「こんな綺麗になるもんなのか」


 俺はクリスマスというイベントが嫌いだ。プレゼントを貰える年じゃないし、カップルが蔓延はびこるような場所もあまり好きではなかった(・・・・)…そう、過去形である。今はこうして傍に居てくれる人がいる。


「なんで私の顔見てニヤニヤするの!」

「いや、なんだかね」


 自分がこんなところに、ましてや彼女と来るとは思っていなかった。だからこそ


「こういうところに彼女連れて一緒に歩くってのが、なんだかむず痒くてさ」

「だからって私見てニヤニヤする必要はないと思うんだけど…」


 自分は今、とても幸せなんだなと、そう心から思えていた。


 たまに来る不安や孤独感、そんな辛い時にも、一番近くに、そばにいてあげた、


「ねぇ…私なんてやっぱり!、居るべきなんかじゃ」

「大丈夫…大丈夫だから…、居てくれるだけで安心するから」


 〜〜〜


「はぁ…なんで俺こんなことも出来ないんだろ…、社不《社会不適合者》だろ本当にマジで」

「えー?、全然そんなことないと思うけど?、私が大変な時にもそばに居てくれる頼れる人だよ?、だから居てくれないと困る!」


 どんな時だって支えあおうと、絶対に…どんな時でも救ってみせると約束した、この世で一番大事な存在なんだ。


 〜〜〜


「……チッ、なんで俺の告白断っておいてあんなやつと…、あの野郎、勝手なことしやがって」


 せっかく学校中を敵にして誰も頼れなくして、俺のところに来させようとしてたのに、


「そんな計画をぶち壊してくれたアイツの近くになんて居させねぇよ、ハハハ」


 俺は勉強が得意で順位は常に一桁を維持している。俺が欲しいと思ったものはどんな手を使ってでも手に入れる。俺が気に入らないと思った奴は徹底的に排除する。


「俺の告白を断って別のところで幸せになるなんて…俺が許すと思ってんのか?…」


 あと藍星とかいう野郎…どうやって月乃の奴に付け行ったのか知らんが…俺から物を横取りした代償をキッチリ払わせてやる。


「目にものを見せてやる…ハッハッハッハ!」


 そう部屋の片隅で、不敵に笑っていた。

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