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33 お泊まり会②

「一緒のお布団に入ってると、温かいね〜」

「…そ、そうだな…」


 布団に入ってから、ずっとあるまは俺に抱きついている。吐息が当たるくらい距離が近い。それに狙ってやってるのか無意識にやってるのか知らないけど、ずっと胸を押し当てられてるように感じる。


「あの…色々当たってるんですが」

「私?、Cカップだけど」


 あの、そんなの聞いてないんですが。


(もっと大きかったら良かったのにー!、この大きさじゃあんまり誘惑できないじゃん!)

「なんだか…悲しいな…」

「急にどうした?」

「私ってその…あんまり大きくないから…私って魅力ないなって思って」


 あぁ、多分狙ってるんだろうな、ただそれに対して俺が一切反応を示さないから自信を失ってるんだろうな…あれ、俺のせい?


「いや、その、なんというか…なんて言えばいいのかよくわかんないんだけど…あんまり大きいのは好きじゃない」

「…ほんとに?、私に遠慮してるとかじゃなくて?」

「いや、その…あんまりこう大きいと…目のやり場に困るからさ…、だから小さいほうが気が楽…って俺は思うかな…」

「…すき」


 そういってハグをする力を強くする。


「みりって、とっても魅力的。この世の誰よりも優しい人、これがみんなに知れ渡っちゃったらみんながみりを狙いだしちゃう。だから」


 あるまは布団の中でもぞもぞと動いてきて…


「え、ちょ、何するの!?」


 あるまは首元にキスをしてきた。長い、ずっと口づけを続けて離さない。


「…ぷはぁ、まあ、明日になったらわかるよ」

「いや、そうじゃなくて、いきなりキスしてきたことに…」

「だってみり、全然来てくれないんだもん、だから私から行っちゃった。だけど…」

「だけど…?」

「《《ちゃんとしたキスは》》、《《あなたからしてほしいな》》」

「…」

「それじゃぁ、おやすみ、みり」

「おやすみ、あるま」


 …たしかに俺は自分からそういうことをやらない。どうにも奥手で躊躇っちゃう。あるまのお陰でちょっとは自信を持てるようになったけど、それでもまだ根本では、俺なんかが…と考えてしまう。こんな俺が自分からそういうことをやって気味悪がられないかなって。わかってる、あるまはそれを拒否することはないと、きっと受け入れてくれるって、でも、それでも前に進むのが怖い。言葉ではなんとでも言える、それを行動に移すのが、たまらなく怖いのだ。


「こんな事考えてるって知られたら、また怒られちゃいそうだな…」


 また落ち込みそうに、病みそうになる。でもそうはならなかった。だって、今後ろにはあるまが居る。俺に抱きついたまま、幸せそうに眠るあるまが居る。それを見ているだけでなんだか自分も安心してしまった。今なら、キス出来るかも…そう考えたけど。


「あるまが起きてる時、ちゃんと気持ちを伝えてからじゃないと、意味ないよな」


 俺は思いとどまった。いつか自分が自信を持って、胸を張ってあるまの隣に立つんだって思えたときに。


 〜〜〜


 7:00a.m.


「…むにゃむにゃ…おはよ…」


 そう言って目を開けたあるまは…気付いた。寝る時は反対側を向いていたみりが、こっちを向いて…しかも、唇が触れそうなくらい近くに居たことに。


「うわっ!!」


 まだみりが寝ているにも関わらず大きい声を出して驚いてしまった…きっと寝返りかなにか打ったのかな…うん、きっとそうだ…というか


(なんで恋人とのお泊り会っていう、関係を進めるには絶好の機会なのに、なんで手出してこないの!、実はちょっと期待してたのに!…だけど)


 こんな私の考えてることなんかいざ知らず呑気に寝ているみりを見ていると…


「…キスしちゃおっかな…」


 …でも、初めての唇同士のキスはみりからしてもらいたいし…でもこの可愛い寝顔みてたら…あーもーどうすればいいの!


 …と、葛藤して唸っている間も、みりは気持ちよさそうに寝ているのであった…


 〜〜〜


 …あーよく寝た。あるまはもう…起きてるね。特に何事もなく一夜を明かすことが出来た…あれから寝付くのにかなりかかった。ずっと抱きつかれてるし、後ろからいい匂いがするし。結局寝付けたのが…多分1時半くらいだった気がする。今何時だろ。


「8時半…もうそんな時間か、俺もそろそろ起きなきゃだな〜」

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