31 星を隠す影③
「すげぇ…またこいつ一位だぞ…」
当然よ、私の学力で言えば、この学校は低すぎるらしいし、ちゃんと勉強すれば一位とるなんて苦じゃないの。これで目立って噂になってくれれば、みりの耳にも届くかもしれない、だから私は努力する。自分に対してひたすらストイックに行く。そうそう、私は高校に通う中、何回かアイドルのスカウトを受けた。まぁ、全部断ってるんだけどね、それに…
「あるま〜!、今回も一位?、エグくない?、頭良すぎ!」
「く…私も勉強したのに…また負けましたわ…」
学校で一緒に話せるお友達も出来た。この二人は最初の頃、私と付き合いたいと考えるバカな人たちや、こっちをチラチラ見つつも話しかけてこない人たちは違う。対等な立場で接してくれた。だから友達になれた。
「二人も筋が良いから、勉強すればいいところ行けるよ」
「アナタに言われると嫌味にしか聞こえないんですが…?」
「相当勉強してるはずなのに…はずなのに…」
この二人の名前は、最初に一位取ったのに驚いてた子が"天月渚"、私にライバル心を向ける子が"早乙女瑠那"と言う。
「まぁ、私達に勉強教えてくれてんだから文句は言わないさ、いつもありがと」
「いやいや、私の友達になってくれたこと、感謝してるんだよ?、だって最初誰も話しかけに来てくれなかったし」
「いやなんか話しかけにいっていいのかわからないくらい神聖なオーラ出てたから」
「ふ、感謝するのはこっちの方だ、あるま。教えてくれるからこそ、私達もいい順位が取れるんだ。だが感謝はありがたく受け取っておこう」
二人は大事な友だちだから。そんなふうに高校の新たな環境でいい居場所を確保した私、宵闇あるま。その後の夏休みも二人とたまに遊びながら楽しくすごして二学期。何事もなく過ごしていた私達は、とある衝撃的な話を耳にした。
「なぁ知ってるか?、二年のとあるカップルが別れたらしいぞ」
「なんで1個上の学年の話がここまで流れてくるんだ?」
「いやぁだってそりゃあ月乃さんって、誰にでも優しく元気で屈託もなく、みんなから愛される先輩なんだぞ?」
月乃さんってたしか…
「えー月乃先輩別れたんだ〜」
「瑠那ちゃん、なにか知ってるの?」
そう私が聞いたが、
「さぁ、別れたって話だけ聞いただけだよ?」
…そう言えば二週間前…
「…ねぇいい加減にしてよ、いつまであの藍星とかいうやつと付き合ってるつもり?」
「え…そりゃ優しいし!、私のこと、心の底から見てくれるし!」
「別れたほうがいいと思うよ?、私、あいつの色々悪い噂知ってるし」
「…!!」
「ここで話せることじゃないし、あっちで話そ」
そう二人は人のほとんどこない場所まで行ってなにか話してるようだ。私も近寄って聞きたいんだけど、小さい声で話してるのか内容は入ってこない。もうすこし近づくかどうか悩んでいると、月乃さんは走って、私のことを通り越してどこか立ち去っていった。
「…さて、これでいいの?」
「うん、上出来上出来」
どこかに隠れていたのか、二年生の男子と思われる人が出てきた。
「はい、これ報酬の一部、無事別れさせれたら、あと残り全部渡すから」
「ありがとね〜、でもこんなんでお金貰っていいの?、藍星のこと嫌いだから協力するだけだよ?」
「いいんだよ、それとも報酬減らすか?」
「ありがたく頂戴いたします」
…まさかあの時の…、居ても立っても居られなくなって、私はとある人物の元まで駆け出していった…
「見えた!」
彼はいつものように、教室から出てきた、だけど彼の目に生気はない。噂は本当だったのだろうか…
「待って!!!」
大きな声を出してそう叫ぶ、しかし彼が止まる様子はない。
「ねぇ待って!!!」
しかし彼は止まらない。
「ねぇ待ってってば!!!」
やっと彼、藍星みりを捕まえた。すると気だるそうに振り向いて言った。
「一体、俺になんの用ですか」
「月乃さんと…別れたって本当なの?」
「なんでそんなことを、あなたには関係無いでしょう、自分もあまり暇ではないので、帰りますね」
「あ、ちょっと!」
なんで逃げるの!、てか足はっや!、私じゃぜんぜん追いつけない!、これでも毎日ジョギングしてるのに!…結局家まで追いつけなかった。インターホン鳴らすの迷惑だろうか…いや、ここまで来たらやるしか無い。わたしは意を決して。インターホンを鳴らした。
後書きとして、ちょっと補足説明を入れます。第27〜31話までは宵闇あるま視点で見た、また藍星みりと関わり始めるまでのお話です。
話の流れとしては、ここから第2話の最後に繋がるようになっています。なぜ"宵闇あるま"が主人公のことを好きになったのか、それについて話す内容と、月乃みちると別れる原因となった出来事に、裏で誰かが暗躍している…と言うことを見てとれる内容になっています。
今後の話の布石になる内容も入っているので今後のお話も見てくださると嬉しいです!




