29 星を隠す影
そうやって私が私を変えてきていたら…
「ねぇ、あるまさん…また今度一緒に遊ばない?」
「また今度一緒にカラオケ行こーよ!」
「男子たちがむさくるしいね〜〜、私達と遊ぼ?」
学校でも男女問わず、沢山の人が話しかけてくれるようになった…でも、
「遊びたいって言ってくれるのはありがたいけど、ちょっと今はいいかな、」
「さすが、真面目っ子!」
これはみりのためにやってきたのであって、みんなにモテたいからやったわけじゃないの、ごめんね。
私はみんなとはあまり遊ばず、勉強に専念した。その結果なのか、テストでは常に一桁順位、テスト期間になると私のところにわからない問題を聞きに来る人がたくさん居た。だから放課後に図書館で勉強会するなんてこともしばしば…最近みりと一緒に帰れてないな…。ちょっと前も。
「ねぇ、みり先輩、テストで4位取れたんですよ?、すごいでしょ!」
「…ん、ああ、おめでと」
…なにが悩み事かな?、あんまりみりの反応が芳しくない。というかこの前もそうだったけど、あんまりこっちのことを見てくれない…なんで?、私、頑張ったんだよ?、あなたのために、それなのに…悲しいよ。
「ねぇねぇ、なにか考え事?」
「!!!」
びっくりした。そうだ、今は勉強会中だった。
「ねぇ、この数学の証明の問題ってどうやるの?」
「これは、こことここが対応してるから…」
なんだろう、私がやりたかったことって…こんなものだったのかな?、なんでこんなに寂しいんだろ、虚しいんだろ。勉強会が終わった後、家に帰る時も。
「なんで、一人で家に帰るのが、こんなに寂しいとおもっちゃうんだろ」
なんでわかってくれないんだろ。なんであってくれないんだろ。
ピンポーン
「あ、あるまちゃんじゃん!、みりーーー、あるまちゃんが来てるわよ〜…え?、今はムリだって?」
…私、嫌われちゃったのかな。私が変わろうとしたからこうなっちゃったのかな
「ごめんねあるまちゃん、今手が離せないみたいで…」
「いえいえ、いきなりすいません、ありがとうございました」
なんで、なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。なんで会ってくれないの。私はあなたのことがあんなにも好きなのに、あなたのことを支えてあげたいのに…
〜宵闇あるま 中2〜
あれからほとんどみりとは話していない…、ほとんど会うことも無くなった。ただ理由はある。みりも受験シーズンだ。きっと忙しくしているのだろう。たまに教室に行ってみるが、クラスでは相変わらず楽しそうにしている…私とは話してくれないくせに。こうなったら、もっと自分を磨いてやる。
私は朝早く起きて、近くにある運動公園に行ってジョギングをする。最初は辛かったけど、徐々に距離を伸ばしていって体を慣らしていった。そうしていくうちに毎日のルーティーンとして体に染み付いたのか、辛くも無くなったし、目が覚めるようになってしまった。健康的な生活が出来るようになった。
ジョギングが終わったら朝ご飯、朝早いのでしっかり準備の時間がある。食パンをトースターに入れて、スクランブルエッグを作って、レタスをちぎってプチトマトを飾って簡単なサラダ。それとコーヒー…は飲めないので牛乳を。これが私の朝のルーティーン。
それが終わったら。髪をとかしたり形を整えて…学校に行ってきます!。私は自分でやってきたことに自信を持っている。自信があるからこそ、前みたいに人見知りせずに堂々と話せている。どうせならみりと一緒に話したいのに、でも仕方ないよね、受験勉強中なんだし、でも志望校くらい教えてもらってもいいと思うんです。私が知らないなんて!。まあいいです、絶対特定しますから。
最近、話しかけにくる人の数が増えたように思う。別のクラスからも来てるみたいだし…みりが私のことを見てくれないなら、他の大勢の人に可愛いと言ってもらっても、全部無意味なの。みんなからの注目を集めても、みりに注目してもらえなかったら意味がないの、なんでなの?。なんでこんなに頑張っても、あの人は私のことを見てくれないの?。いや、諦めない、絶対に。だってもう、みりは私のもの。どんな手を使ってでも、私の方に向かせる。




