24 新たな人間関係
「もうすぐ12月なんだって」
「え、もうそんな時期?」
もうそんな時期なのか、たしかに制服の上からなにか羽織らないと厳しい寒さになってきたし、そんなもんなのかもしれない…というかここ一ヶ月で色々ありすぎたから時間の流れが早く感じたのかもしれない。
「12月って、色んなイベントがあるよね!、クリスマスとか、年越しとか!」
「期末テストとか」
「もしかしてイベント嫌い?」
「クリスマスだから〜、ってなにか特別なことをしてこなかったから、もうプレゼントももらえないしさ」
これまでの人生はクリぼっちで過ごしていたことがほとんどだからな。去年は月乃が居たけど…あの時のことはあんまり思い出さないようにしてるんだったな。
「ふーん、じゃあ今年のクリスマスは思い出に残るようなものにしよ!」
なんだかんだ一緒に登校するようになってからも一ヶ月以上経ったんだなぁと感慨深いものを感じる。
学校に着いて、SHRの時間を待っていると…
「やぁどうも、こうやって話すのは始めてかな?」
「…誰だっけ???」
「斎藤修だよ、これから仲良くしようじゃないか」
…あ、思い出した。特になにか肩書きがあるわけじゃないし、他になにか印象深いところがあるわけじゃない…けど彼はいつもクラスの中心にいる。俺が思うにこういうタイプの人は、大抵他人に付け入るのが上手い。自分には出来ない事だ、素直にすごいと思う。
「よろしく、斎藤」
そうして俺には新たな友達が出来た。
「あ、やべ、授業中寝ててノート書けてなかった」
「貸すで、ノート書いてないんやろ?、はいこれ」
「助かる」
ノートの記述綺麗だな…几帳面なやつだな
その後も…
「やべ課題してない」
「今回だけ見せてやる、あとでなんかジュースでも奢ってくれ」
「了解」
…昨日は家に帰った後も通話繋いで、あるまと話してたりで課題するの忘れてたわ…
「おい!、課題してきてないのかよー!」
「うっさ、急に大声で話しかけてくんな」
後ろから柊が話しかけてきた。
「というか課題も見せてくれるような友達も出来たのか、よかったな!」
「はいはいありがとさん」
「にしても、お前に話しかけてくるやつ、増えたよな」
「…まぁ、大体は容姿をみて関わってきた女子が大半だがな、あと少数の男子」
女子組はほとんどシカトしているが、一部の男子たちとは良好な関係が築けているように思う。
「トークとかリアクションは元々面白かったからな、そこに素晴らしい容姿が合わされば、仲良くなりたいやつもたくさん出てくるってわけよ。あとクール」
「…そんなクールって言うほどクールじゃ無いような気がするんだが」
「だって藍星、女子の誘いとか全部断ってるじゃん、他のやつになびかないその性格は、ある意味人気になる要素の一つってもんだ」
…別にこれは狙ってやってるわけじゃないんだけどな。俺は他人のことをそう簡単に信用しない、出来ないんだ。だから常に疑ってしまう。だから分かってしまうんだ。それが本心なのか、上っ面なのか。だから最近の女子の掌返しぶりには強い嫌悪感があるのだ。だから…
「俺はクールなわけじゃない…」
それを決して認めることはないのだ。
日は過ぎていき、斎藤や柊と話してるうちに、段々とクラスの輪に溶け込めてきた。休み時間はクラスの奴とくだらない話をして、そんな楽しい毎日を送った。ここまで学校を楽しいと思えたのはいつぶりだろうか。少なくとも、あるまのことを除けば、失恋したあと一番楽しい時間であるということは言うまでもない。とそんな話をお昼ご飯をあるまと食べながらしていたのだが。
「ふーん、よかったね、それで?」
…なんか怒ってる?、え、なにか気に障ること言っちゃったかな?
「ねえ、もしかしてなんか不機嫌?」
「不機嫌なんかじゃないですけど?」
「…なんか変なこと言ってたのなら謝るよ?」
「不機嫌なんかじゃないって言ってるでしょ?」
そうは言っても、明らかにいつもと違うことは見ててわかる。それに今日はいつもより距離を感じる、全然こっち向かないし。
(なんでクラスの友達とのお話をそんなに楽しそうに話すの?、私と一緒にいる時間は楽しくないの?、私はここに居なくていいの?、私と居るより楽しいんでしょ?、私なんて居るだけ邪魔なんでしょ?、ほんとに…)
「みりのばか」ボソ
「ん、なんて?」
「なんにも言ってないよばか!」
急にバカって言われてしまった。乙女心ってわからないものだね。




