22 自分プロデュース③
「さあ!、今日も張り切って学校に行こー!」
「…いつにもましてテンション高くない?」
いつものように一緒に歩く通学路。
「だって私が協力して、みりをイケメンにしたのがついにお披露目なんだよ?、気分上げていかなきゃ」
「急に雰囲気変えてきた痛いやつと思われかねないと思うんだけどな、ていうか朝の
準備というか髪のセット、結構手間かかるしで大変だったんだが」
「ま、やってれば慣れてくるよ、それに心配しなくてもいいと思うよ?。今のみり、ちゃんとかっこいいし」
「でもそれまで影の薄かった人が変わったら、絶対変な目で見られると思うんだけど…」
「あーもーつべこべ言わずに!、時間も迫ってるし行くよ!」
そうして教室までやってきたわけなのだが…明らかにこれまでと違う視線を感じる…こんな視線を受けたことがこれまで無か…いや、あるまと一緒にご飯食べた時もこんなだったっけ?
「え、クラスにあんなやつ居たっけ?」
「顔良くない?、どこのやつ?」
「わかんない、始めてみたかも」
ヒソヒソと話している声がクラス中から聞こえてくる。そんな中柊は話しかけてきた。
「よぉ藍星、なんかすごい雰囲気変わったじゃん、お前もイメチェンしたのか!」
「朝から騒がしいわ」
「え、藍星!?」
「ずっと髪が邪魔で顔見えなかったから知らんかった…」
「あんな冴えないやつだと思ってた奴が、あんな顔いいとか…ムカつくわぁ」
…やっぱ気持ち悪いって思われてない?
「あんなこと言ってるやつは居るがただの嫉妬だ、気にすんな」
「なぁ、やっぱちょっと変?」
「ん、別に。結構イケてるやつだと思うぞ!」
「そんな劇的に変わったわけでは…」
「ある」
「いやない」
「あるんだよそれが!、ていうかそのルックスならお前もモテ男になれるんじゃないか?。俺と一緒にモテる人生を謳歌しようぜ!」
「ア、エンリョシトキマース」
「ま、お前には相手が居るからな」
あるまは俺のことを愛してくれたり、俺のために動いてくれたりで本当に感謝している…のだが、たまに俺が一切話してないはずのことを知っていたり、なんなら他の女子と仲良くしていようものなら…多分包丁持って突っ込んでくるぞ。たまに怖いこと言ってるし。
いつものようにお昼を一緒に食べに誘ってくるあるまを待って居たのだが…
「ねぇ藍星くん、一緒にお昼食べない?」
「一緒に食堂行かない?、話したいことあるんだ」
「私なら、なんでも奢ってあげるよ?」
…どうしてこうなった?、一週間前まで俺のこと気持ち悪がって話しかけにも来なかった人たちにお昼ご飯のお誘いを受けている…あまりにも掌返しがすぎると思うのだが。
「みりせんぱーい、一緒に食べましょー」
と考えているとあるまが来た…なんか心做しか声のトーンが低い気がする。だけど助かった。
「おっけー、今行く」
あるまとのご飯を名目にあそこを抜けることが出来た…のだが。
「…説明してくれます?」
笑顔だけど…ものすごい圧を感じる。だが俺は何もやっていない、あちらが勝手に関わってきたのだ。
「…へー、私が協力してできたそのイケメンな顔立ちで他の女の子を誘惑するんですか…そんなひどい人だったんですか、へーーー」
「いや、その、これは」
「なんですか???」
「朝行ったら色んな人が話しかけてきて…、決して俺が話しかけに言ったわけじゃなくて」
「…ほんとに???」
「神に誓って嘘は言ってない」
「…ハァ、みりにそんな度胸がないことは、私が一番分かってるからさ」
ふぅ、なんとか信じてくれたようだ。
「でも…やらなきゃよかったかなぁ…」
「ん、どしたの」
「みりに協力しなかったら良かったかなって思ったの!、みりの顔がいいことは知ってたから整えたらモテるってことも分かってたの!、でもみんなの人気者になったら、もしかしたら私のところから離れちゃうんじゃないかって思ったから!、
でもこうすれば、みりは学校で過ごしやすくなる、楽しくなるかもって思ったから、だから協力したの!」
「…ふふ、なんだか、ありがと」
「なに笑ってるの!、笑い事じゃないんだからね!」
頬を膨らませて怒っている。すごく可愛い。
「私だって嫉妬するし寂しくなるんだからね!、不安なんだからね!、だから私を安心させて!」
そうやってぷんぷん怒っている彼女を見てると…なんだかすごく思いが込み上げてきて。だから
「ひゃ!?」
「すっごく可愛いし、すっごく愛おしい、好きだよ、あるま」
あるまにハグをしてそう言った。




