17 お家デート?③
「…離れるつもりはないよ…だって」
俺をこんなに想ってくれるのは、後にも先にもきっとあるまだけだから。
世の中には追う恋と追われる恋というものが存在する。自分の元彼女との恋愛の時は、どっちだったのだろうか…追う恋であったし追われる恋でもあった。お互いを支え合って、時々自分をさらけ出して、そんな関係性だった。
…前の恋愛の話はさておき…この恋愛は、きっと追われる恋だ。きっと自分があるまのことをどんなに邪険に扱ったとしても、きっとあるまは俺を追ってくる。俺が振り向く、その時まで。
「好きなんだもん、あるまのこと」
「ふふ〜ん、嬉しいこと言ってくれるじゃん。まぁもし離れようとしたとことで、逃げられないように捕まえて私の好きって気持ちをたくさん伝えるだけ、だけどね」
うん、薄々気づいてたけど、ものすごく愛が重い。逃げたら刺されるんじゃないかってレベルで。これがヤンデレというやつなのだろうか。
…とか話し込んでたら…
「…と、もう一時過ぎてるじゃん」
「あ、ほんとだ、ご飯作らなきゃ」
話してるだけで、時間って結構経つもんだなぁ…と思いながら、お昼ご飯の用意を待つ。
「チャーハンだよ〜、召し上がれ」
「いただきます」
具は…卵にソーセージと…あとレタスが入ってるな。味付けについては詳しくはわかんないけど美味しいからOK
「うん、美味しい」
「ふふ〜、昨日からの残りものを使って最大限美味しい料理を作るのは、お嫁さんになるのに必要な技の一つだよ〜」
「そういうものなのかね」
あるまがそういうのならそうなのだろう。
「それにこういうの覚えてたら普段の生活にも役立つんだからね!?」
「ヘ、ヘー、ソーナンダー」
というかレシピや説明見ながら料理しても、火加減とか間違えたりして焦がしたりするのだ。そんな奴がいきなり残り物を駆使して…などなど、そういう高度なことは出来ないのだ。
「ま、私もすぐ出来るようになったわけじゃないけどね」
「やっぱり時間かかった感じ?」
「時間もかかったけど…なにより経験が大事なんだよ?、何回も何回もやってると段々とこういう時はこうするっていうのが分かってくるの」
「場数が大事ってことね」
それもそうか。なんでも出来るように見えるあるまだけど、きっと出来るようになる道のりは一朝一夕なものでは無かったのだろう。ここまで出来るようになるのに一体どれほどの努力を重ねたのか。
「…にしても、よくそこまで頑張ろうって思えたね。それは普通にすごいと思う」
「理由があるから頑張ろうって思えたんだよ?、私は。何事も、なにか目標があるから頑張れるんだよ?」
「…その理由というのは」
「あなたの…みりの隣に居たかったから!…もう、こんな恥ずかしいことわざわざ言わせないでよ、まったくもう」
頬を膨らませるあるまを見て、めっちゃ可愛いと思いました。それに自分の傍に居たいからって理由でここまで努力してくれたという事実に…正直自分も恥ずかしくなってくる。
「まあなんか、ありがと」
そう感謝の言葉を伝えるのだった。
〜〜〜
「ちょっとー?、この頃の私はまだ可愛くないからあんまりまじまじと見ないでほしいんだけど…?」
お昼ご飯を食べ終えた俺とあるまは、あるまの小学校の卒業アルバムを見ながら思い出に浸っていた。…にしても可愛くないと言うが、たしかに今は絶世の美女と言われるのも納得の容姿をしている。だがあの頃の容姿も悪くはないと俺は思う。
「可愛くないころの自分というものも、自分が進んできた道なんだからさ、それは認めてあげようよ」
「いや…別に認めてないわけじゃないんだけど…」
「じゃあなによ」
「昔の私より、今ここにいる私を見てほしいな…って」
なんだ、昔の自分への嫉妬かなるほど
「じゃあずっと見つめとく」
「あ、あの、その、それは恥ずかしいからやめてほしいかも?」
「じゃあ一切見ない」
「なんでそんなに極端なの〜!」
イジったときのこういう反応もまた可愛いと、そう思った。可愛いとこ見たいじゃん?、だからこれからもイジります。
「…っていうか私の昔の卒業アルバムとか写真とか見せたんだから、みりの昔のもまた見せてよね!」
「あ、ああ、うん、わかった」
「あと、また料理教室としてまた来てもらうから!」
それは忘れてもらいたかったなぁ〜
「う、うん、またの機会にね〜」
特別なイベントが起こるわけでもなく、お家デート?、的なことは終わった。なんか近いうち、また来ることになりそうだけど…と思ってたら、
「油断させたところで!」
いきなりあるまが後ろから勢いをつけて抱きついてきた。
「ちょ、なに!」
「私達恋人だよ〜?、さからハグくらいするの普通なんだよ〜?、まさかこんなことで照れてんの〜?」
「それはそうかもだけど、ふ、不意打ちは卑怯だと思うんだ」
「だってそっちのほうが可愛い反応してくれるんだもん、ほら、今みたいに」
顔が熱い、だけど認めたらもっとイジられるから…落ち着け俺、顔色を戻すのだ。
「照れてなんか…ないし!」
「へ〜」
なおもニヤニヤしながら抱きつく力を緩めないあるま
「てか帰れないから離してほしいな」
「仕方ないなぁ〜」
やっと離してもらえた…と思っていると
「続きは、また今度ね?」
続きって何!?、と思いつつ熱くなった顔を冷ましながら家に帰るのだった。




