14 変わらない日常、変わりゆく関係③
「え、なんでそんな数え切れないくらいあるの?」
「逆に聞くけど、好きな人が居てその人になにかしてもらいたいこととか考えないの?」
俺はそんなこと考えたことなんて…なんて……
「…めちゃくちゃありました…」
「つまりはそういうこと!」
そりゃそうか、好きな人が居たとして、その人と一緒にしたいこととかそんなことを考えないわけがなかった。
「なんか…なんかなぁ…俺もそういうこと色々考えてたのかなぁ…」
「私はあなたと一緒にしてみたいこと、行ってみたいところとかたくさんあるんだからね?…だから」
そうしてあるまは雰囲気を変えて、
「絶対に…逃さないからね?」
え、怖い怖い、急に雰囲気、声、そして目から光が無くなったように見える…
「みりが私の傍から離れないように、いや、離れようなんて思わないように、私のところに縛っておかなきゃ…」
その恐ろしさに思わず後退りする。しかし彼女はゆっくりと距離を詰めてきて、俺はもう…
「…なーんてね!」
そうしてあるまはいつもの調子に戻った。
「なんだ演技か…そうならそうと言ってよ…本気でビビったからさ」
「えへへ〜、なんだかごめんね〜、でも」
そうして彼女は耳元でこう言った。
「半分…いや、8割くらい本気だったから」
「…!?!?」
ビクッとしたというか、身の毛がよだつような、命の危機を感じた。でもその直後、
「でも大丈夫!、みりは私の傍から離れない、ずっと一緒に居てくれるって信じてるから!」
すこし離れてくるっと振り向いて、天使のような笑みを浮かべて彼女はそう言った。
「うん、一緒にいたいよ、ずっとね」
そうしてまた他愛もない会話をしながら家へと帰宅していくのであった…のだが。
「ただいまー」
「おかえりー」
「おじゃましまーす」
さて今日はゲームのアプデの日だから部屋で一人でゆっくりとゲームでも…って
「…なんで家まで来た?」
「え?、別に良くない?、彼女だよ?」
「そういう問題ではなくてだな…」
俺のプライベートな時間がなくなることを危惧しているのだ。
「だってみりの家で遊んだこと無いじゃん!」
「あれそうだっけ?、でも確か前に」
「あれ掃除だけでほとんど時間終わったからほとんど遊んでないよ!」
「なんかごめんな?」
あの時掃除手伝ってもらって(ほとんど任せっきりだったけど)部屋がホント綺麗になってお母さんも感動してたんだよな。
「それに今日お母さん帰って来るの遅いんだよねー、だから家で一人でいるの寂しいんだよねー、だから好きな人と一緒に居たいっ思うのがそんなにダメなこと?」
「…あーあーわかったわかった、お母さんが返ってくる時間まで一緒に遊べばいいてことね?」
「そういうこと!」
さよなら俺のプライベートタイム、でも家でこうして遊んだこと無かったしいい機会といえばいい機会なのかも?
「じゃ、なにする?」
といっても俺自信、ゲームするくらいしかないからあんまり部屋に置いてないのよね。
「いい感じにボードゲームとかない?、リバーシとか」
「あー…多分置いてない…けどそれなら確か…」
たまーーーに引っ張り出して親とやったりするこのゲームがあった。
「こいつなんかどう?」
取り出したゲームは
『世界のアソビ大全51』
大体なんでもある、将棋オセロチェス大富豪七並べ…まぁ有名どころのゲームは全て入っているし、なんなら聞いた事のないマイナーなゲームも入っている。
「いいねいいね、やろーやろー」
そうして準備してると
「普通にやっても面白くないから負けたほうが勝った方の言う事聞くってのはどう?」
「俺既に一回命令されるの確定してるんだけど?」
「…その時はー…二回受けてもらって…?」
「絶対負けねぇ」
リバーシ、俺はオセロと呼ぶのだが何が違うのかと思って調べたら、今では名前が違うだけで内容は同じらしい。
「絶対負けないよ〜!」
そう言って戦いに望むあるまだったが…
「あ、あれ?、おかしいな?」
「はい、俺の勝ち」
これでも伊達にオンライン対戦経験積んでない。ある程度は勝つための戦力というものを知っている。そんじょそこらの人には負けないさ。
「もー!、勝てると思ったのにー!」
「なんか簡単に勝てちゃったな〜、じゃ一つ命令できるな」
「…男に二言は無いけど、か弱い女の子なら二言も許され…」
「まああるまはそんな卑怯なこと言わないって信じてるよ」
「…あーもー逃げられないじゃん!」
逃げられちゃ困りますぜ。
「…で、結局なににするの…?」
「んー、前の命令のやつをこれで打ち消すってのは…」
「それとこれとは関係ないからダメ」
拒否されてしまった、まあ仕方ない。
「じゃあ…んー何にしよう」
「なんでもいいんだよ?」
俺知ってる、なんでもいいって言いながら提案すると拒否ってくるパターンだ。なら…こうするか
「じゃあ、またこうやって、たまに家で遊ぼうせ」
「お、あなたもそういうこと言ってくるようになったんだね〜、ふ〜ん」
ニヤニヤした顔で覗き込んできて、あるまは、
「あ、じゃあ私の命令決めた」
「一体何になるんだろうな」
そう考えていると…
「みりは週末、私の家に遊びに来ること!」
「…あーなるほど、へー…え?」
あるまの家へ…遊びに?




