表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/86

11 裏切りと本当の想い

「ねぇみり?、みりが月乃さんと別れたって話、前に聞かせてくれたよね」

「聞かせてくれたと言うより、そっちが嗅ぎつけてきたって方が近いような気がするけど」


 というか別学年の話のはずなのになんですぐ知れたんだ?、別学年の人の恋愛事情なんて知ろうとしなければ知ることのない話のはずなんだけど…


「そうかな?、まぁそれはいいんだけど…」


 そう言ってあるまは話し始めた


「月乃さん…みりと別れる2週間前くらいから、ちょっとそれまでと変わったところがあったよね?、なんて言うんだろ?、詳しいことはよくわかんないんだけど違和感を感じたの」

「……」


 たしかに俺と話す機会が減っていったのはその頃だったような気がする。それでも普通に話してくれてたし、そこまで違うところは無かったはずなんだけど…


「それで気になって見てたらね、いつも月乃さんと一緒に居る友達みたいな人となにか話してるのを聞いたんだけど」


 あんまり聞いちゃいけない、そんな気がする。


「詳しくは言えないんだけど…みりと別れさせるような…そんな話をしてたような…気がする」

「……」

「で、でも、ちょっと離れたところから聞いてたからほんとにそういう話をしてたかは分からないよ?、でも、その話に別の男の人が入っていってて…」

「もういい、やめて、お願い」


 そうか、俺は邪魔だったのか。ずっと付き合ってたけどもう俺のことなんか好きじゃなかったのか。早く別れて別の彼氏を作りたかったのか。そうなのか。嘘だと言いたかった、認めたくなかった。でも結果として別れを告げられている…これが何よりの証拠だろう…。


「…ハハハ、そうだよな、俺なんか」


 あれ、なんでだろう


「…みり?、なんで泣いてるの?」

「別に…泣いてなんか…」


 分かってたはずなのに、知っていたはずなのに


「そうだよ…そうだったんだよ…俺なんかが居る価値なんか無かったんだよ」

「…」


 知っていたはずなのに、現実を突きつけられることがこんなに苦しいことだったなんて。


「俺は捨てられたんだよ、見限られたんだよ、どうしようもない人間だったんだよ」

「…それでも、いいの?」

「だってもう、どうしようもないんだから、もう一緒には居られないんだから…」

「…私が、ずっと傍にいるよ」

「…ありがと」


 俺がこんな事になってるからかけてくれた慰めなんだろうな。本気じゃないのはわかるけど、それに縋ってしまいそうになる。


「…私ならみりの傍にずっと居てあげられる、みりのことを一番に考えてあげられる」

「…」

「私なら…みりのことを、もっと笑顔にさせられる」


 なんで…


「…なんであるまは、そんなに俺のことを慰めてくれるの?、俺なんか…俺なんかに構っても意味ないよ…」

「決まってるじゃん…、みりのことが心配だったから…」

「でも、心配なだけでこんなにしてくれなくても大丈夫だよ…」

「なんで私に言わせるの…、なんで分かってくれないの!」

「…!?」

「色々相談聞いたのも!、お弁当作って持ってきてたのも!、こうやって今日買い物やカフェに来たのも!、みりが苦しむのを分かってたのにこうやって言ったのも!」


 あるまが泣きそうになりながら一息で言った。


「みりに私の方を見てほしかったから!、私と居る時間が幸せであってほしかったから!」

「…あるま」

「私は…あなたのことが好きなの!」


 そう、あるまは言った。


「好きな人のために時間使って話聞きたいって思うし、一緒に居たいって思うし!、それに好きな人には笑顔で居てほしいの!」

「…そういうこと…」

「だからこれからも、みりと一緒に居たいの!、だから…だから…私と…」

「あるま…これからも、一緒に居たい、居てほしい」


 これからもずっと、


「離れてほしいって言ってきても、絶対離さないから、覚悟してね」

「離れない、離れたくない」


 なんだか一緒にいると安心する。布団に包まれたかのような温かさがある。


「安心するまで、ハグしてても…いい?」

「いくらでも、していいよ」


 ああ、やっぱりここは温かい。前の時みたいに胸がドキドキするわけじゃない。でもあるまといると自分の全てを包み込んでくれるような安心感。きっとこれも恋と呼べるんだろうな。


「みり、ずっと一緒だよ」

「うん、そうだね」


 そう二人は、お互いの気が済むまで抱き合っていた。

 序章はこれで終わりです。


ここで少しここまでのお話…と言うよりこうやって、みりを外に誘った背景についてお話します。宵闇あるまは、みりと月乃さんの2人が別れることになった原因…その背景を知っています。それをいつか伝えようとしていたのです。その絶好の機会として外出に誘ったのです。


が、最初の予定ではここで告白をする予定では無かったようです。ただ…みりの目に生気を感じなかった。それを見ているのが辛かった…だからそれを笑顔にしてあげたかった。だから最初の予定には無かった告白をした…ということです。ニ週間前、みりが月乃と別れるきっかけとなった出来事に遭遇した時のお話は、今後いつか語る予定です。


それはそうと再会して、そして繋がった二人。そんな二人、そしてそれを取り巻く環境は、どんどん変わっていくことになる…。そこに降りかかる苦難、そして葛藤、そうして進展していく関係。


 次回から第一章『変わりゆく日々』開幕です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ