表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/49

花摘み

 風船草ふうせんぐさが大量増殖した。

 連日、医療院から探索者に医薬品の材料調達の依頼と広範囲の伐採依頼が殺到して、市場は屈強な運び屋たちで溢れていた。

 それには、ラタトスクとグラトニーに他の兄弟達も駆り出され、珍しくチームを組んで仕事をすることになった。


 薬の材料になる花摘みの仕事だ。


 □□□


 グリードは空を見上げた。

「いい天気だねー」

 全員、花粉防止のゴーグルとマスクを身につけている。

「ラタ、ゴーグルとマスクは絶対に外すな、風船草の花粉にやられたら厄介だぞ」

「わかってる」

 喋りにくい。でも、風船草の花粉にやられたら怖いから絶対に外すもんか。

 風船草の花粉による病気は一度かかると、医療院に通い続けて、薬を処方してもらわないといけなくなる。

 探索者潰し、とも言われてる。


 時々、全員の注目がグラトニーに集まる。

 ゴーグルと一体化したごついマスクを、他の兄弟につけられていた。ふつうのより強力で外れにくい。

 グラトニーが窮屈だからと、マスクとゴーグルをすぐに外そうとするから、いけない。


 しゅこー、しゅこーと呼吸の音をもらしながら、花摘みをするのはなんか不気味だった。

 だけど、今は俺もそんなに違わないか。

 花摘みを再開する。


 その時、グリードが花摘みに飽きたのか、集めた花を空に舞いた。

 エンヴィがおもいきりグリードの頭をはたく音が、青空に響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ