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『屍桜の清め塩漬け』
紅都近界、桜花界奈落淵にある並木道にある万年を越す大妖樹『屍桜』。
その華を陰陽の刻に清め塩に漬け、十ノ月と零八日をかけておいた調味料。 大罪返還の儀に用いられる。
屍桜の根元では妖ビトの『白骨姫』と夫である骸ビトの『陸伍』が防人を務めている。(夫婦仲は大変良い)『陸伍』は八代前の紅帝が紅都を治めていた時代に紅都のはずれの村で生まれた6人兄弟の末子。 当時、世を騒がせていた『白骨姫』と勝負した。
賭け事を好み、『白骨姫』との勝負も賭けとして受けた。 阿頼耶式という独自の剣術の使い手であり、技を組み合わせた数多くの剣式で『白骨姫』をくだした。 そして、賭けに勝った代価に『白骨姫』に求婚した。
人間としての生は三十後半で終わってしまったが、何者かが幽世の鬼灯を与えて骸ビトと化した後は、奈落淵の荒れ寺で『白骨姫』と毎日賭け事に興じながら暮らしている。




