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学園入学試験③

時は遡ること7分前。

蒼華と響が別々の部屋へと移り別れた直後。


「まさか、あいつ双柳か?」


「噂の?」


蒼華は自身を見て騒ぎ出す受験者達の事を煩わしく思っていた。

まあしかし、蒼華を見て驚くのも無理はない。

双柳蒼華と言えば、8歳で銀等級魔術師資格を最年少で取得。

9歳で新魔術式の論文発表。九つの賞を受賞。

10歳の頃にはU-20最優秀魔術師に選ばれた。

その後表舞台には立たず、ネットに魔術論文を公開し続けている。

いわば10代の魔術師達の羨望の的なのだ。


そんな蒼華は羨望、尊敬、嫉妬、嫌悪、恐怖、崇拝、様々な感情を向けられている。

もちろん受験者達の中にも蒼華に強い感情を向ける者が多々存在する。

皆、蒼華に声をかけようとしているのだが、互いに牽制し合っている事で状況は動いていなかった。


最初に動いたのは『尊敬』オルヴィス・エスティーム。


「おい!双柳!」


健康的な褐色肌にキラキラと輝く金色の髪。

よれたシャツにオーバーサイズのスラックス。

腕まくりしたシャツから覗きみえる腕は筋肉質でいて、どれだけ鍛えているのかが一目で分かる。


そんな個性的な特徴を差し置いて目を引くのは彼の右腕、宝石の嵌め込まれた義手である。

肘の関節部分に赤い宝石が嵌め込まれた黒い義手。金で装飾されたその腕は彼の魅力をより引き立たせていた。


彼が声を上げた事で他の者は傍観を選択した様だ。


蒼華は自身が話しかけられていることに気づき、視線のみをずらしてオルヴィスを見る。


比較的、人に対してリスペクトのない蒼華の行動としては上位の対応なのだが、蒼華の事を深く知らないオルヴィスは相手にされてないと考え、気を引く為に挑発的な態度をとった。


「最近のお前の魔術はつまらねえ!お前はそんなもんじゃないだろ!」


「は?」


恐らくネットに上がってる私の論文の事を言っているのだろう。

ここ最近は爆発破壊みたいな派手な魔術を作ってないとはいえ、私の作り出した魔術をつまらない?

何を言ってるんだコイツは。


やっと蒼華が感情の色を見せ始めたとオルヴィスの顔に笑みが浮かぶ。


「ここ最近の魔術は三流魔術師が作る様な陳腐なモンばっかだぜェ!」


この時、オルヴィスは選択を間違えた。

蒼華の事を情報でしか知らないオルヴィスの中で蒼華とは冷静沈着で感情の薄い女だと考えていた。

ただただ魔術のみが好きで自身の好きな事以外はどうでもいい人間だと考えていた。


後者に関しては、あながち間違いではないのだが確かにオルヴィスは蒼華を見誤ったのである。

蒼華はオルヴィスの思う以上に自尊心が高く気が短かった。


蒼華は一瞬にして魔術式を展開する。


その魔術式を見てオルヴィスは顔を青くした。

展開された魔術式は蒼華が最初に発表した魔術式。


低燃費高火力。

例えるならば水一滴でダイナマイトを作り出す程のコストパフォーマンス。


(やべェ‼︎‼︎‼︎)


オルヴィスが防護魔術を展開したのを確認してから蒼華は魔術を発動した。


と、同時に地を揺らすほどの轟音が鳴り響く。

立ち昇る煙の中、蒼華はオルヴィスを蹴り飛ばして言った。


「三流魔術師はお前だ!筋肉ゴリラ!」


現代ファンタジー書くつもりだったんですけど異世界中心になっちゃって、すみません

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