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修羅on修羅場

「うわ」


思わず俺はそう呟いた。

泣きじゃくる幼女に新しく買ってきたアイスを食わせ、あやしている最中。

既視感(デジャブ)とでも言うのだろうか?

つい数分前に見たような状況を俺は見ていた。


今、俺と幼女が座っているこのベンチはコンビニに備えついているものだ。

そのコンビニはというと駅から少し離れた位置にあり、多少遠くはあるものの駅前の状況が鮮明に見える。

一度は聞いたことのあるような大規模な駅に比べて小さな駅だが、近くに大学があったりと住宅地に近かったりと意外と利用者が多い。

その為、駅前で何かをすれば注目を浴びるのは必然だろう。


まあ何が言いたいかと言うと、駅前で人が倒れていた。

倒れている人が先程と同じように子供だったりしたら何の躊躇いもなく駆け寄っただろう。

倒れている人が見知らぬ誰かなら急いで状況を確認しに行っただろう。

つまるところ、見知った顔で心配する必要のない奴が倒れていたのだ。


「あれ?響じゃん」


うわ、見つけられた。

地面に寝転がった状態で顔を上げて俺を見つけた。

そして、おーい!と手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。

死ぬほど目立っている。道行く人たちが全員俺とヴィルを見ている。


「何でいんだよ。お前」


「そりゃあ、友達が住んでる場所見てみたいだろ?」


ヴィルは俺があげたアイスを齧りながら、幼女を挟んで隣に座った。


「俺さぁ、こっちの世界って緑もないような終末世界みたいなのイメージしてたんだけど滅茶苦茶栄えてるじゃん!魔術使ってないのに扉が自動で開くし!」


ベンチに座る3人。

駅前で睡眠をとる頭のネジが飛んでるヴィル。

平日の昼間からコンビニ前で駅前を眺める半袖短パンサンダルの俺。

そして幼女。


ヤンキー、ニート、幼女だ。


並びが良くない。実に良くない。

どこからどう見ても事案である。


ヴィルの頭に入ってこない話を聞きながら、ただただ駅前をぼーっと眺めていた。

すると制服、制帽、制服用ワイシャツ、ネクタイのかっちりとした服装の男2人組を見つけてしまった。

その男たちは俺たちのいるコンビニの方を見ると驚いた表情をして走って向かってきた。


なんだ?トイレでも我慢してたのか?コンビニでトイレだけ借りるのはどうかと思うなぁ〜。

なんて考えてるうちに男達は目の前へと迫っていた。

そしてコンビニの前というか俺たちの前で止まり、胸元から手帳のような物を取り出した。


「あの〜私警察の者なんですけども、少しお時間よろしいですかね?」


あっ、これ職質だ。




###




「ご職業は?」


「学生です」


「そちらの方も?」


「そうですね。同級生です」


「大人びてますね〜」


滅茶苦茶マイルドに言ったな。

今日のヴィルは大人びてるというか、暴力団の一員て感じだぞ。

制服の時は少しヤンチャなイケメンて雰囲気だったけど、今は私服なせいでアブナイ人にしか見えない。


「それでそちらの女の子とはどう言った関係なんでしょうか?」


「あ〜〜」


なんて言えばいいんだ?迷子っていえばいいのか?

道で倒れてたから助けてあげたとか細かいことも話すべきなのか?

いや、ここは無難に迷子でいいか。


「この子、迷g─────いったぁ!」


迷子と言おうとしたら殴られた。

先程までアイスに夢中だった幼女に。


「お嬢さん、このお兄ちゃん達とはどういう関係なのかな?」


警官たちは俺への話をやめて幼女に聞いた。

すると、幼女は間髪を入れずに答えた。


「パパ」


「は?」


俺を指差して言った。


「ママ」


「え?」


ヴィルを指差して言った。


「「ん?」」


警官たちも急な事態に思考が追いついていなようだった。


「え?あの君たちは夫婦なんですか?」


職質終了の兆しが見えた。

よし、幼女(こいつ)の案に乗ろう。


「そうなんですよ!こいつがお母さんで俺がお父さんです!」


「でも君たち学生でしょ?」


「学生婚ってやつです」


響が真顔でそういうと警察は何かを察したのか「ご協力ありがとうございました」と言って離れていった。


「ふぅ、なんとかなったな!」


響は汗を拭い、息を吐いた。


「俺、お前の事結構好きだけど結婚はちょっと嫌だわ」


幼女と響の話を真に受けたヴィルが嫌そうな顔で響きに言った。


「俺もお前と結婚なんて嫌だわ!」


軽口を叩いた響。

職質も上手い事回避できたと一息つこうとした響に更なる危機が訪れる。


「結婚したの?私以外の人と」


ベンチに座る響は後ろから伸びてきた手に抱き寄せられた。

左手は響の胸の辺りに、もう一方の手は響の首を強く掴んでおり彼女の苛立ちが見てとれた。


彼女。

白と青緑色の髪。

夏だというのに厚手長袖オーバーサイズのパーカーを身に纏い、上半身との帳尻を合わせるかのように丈の短いショートパンツを履いていた。

綺麗なネイルは定期的に付け替えられている事を示しており、彼女の几帳面さが見て取れる。


そんな、ひと目見たら忘れない。忘れられない美女。

響は視線をずらして彼女の顔を見た。


「え?だれ?」


響の発言に女は青筋を立てて歯噛みした。



そのうち体育祭編の内容を濃くしたい。

後半面倒くさくなってテキトーに畳んだから

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