屋根裏の婚約破姫 ~貴方の冤罪を晴らして助けに来ました~
『この邪な奴め! 貴様との縁はこれっきりだ! 貴様との婚約は破棄する! 』
そう言われてどのくらいの時間が経ったのでしょう。
暗い中『倭の国』のある領主の姫は屋根裏で一人寂しく昔の事を思い出した。
婚約者であったある領地の主から冤罪を受けた彼女は「一族の恥さらし」と呼ばれて屋根裏に閉じ込められた。
だが、それでも流石に殺すわけにはいかなかったのだろう。数日に一回、最低限の食事と飲み物が運ばれてくる。
もちろん外に出ることは出来ない。
ここには使用人以外は誰も来ない。家族すらこない。
来ていた使用人も口を開かず食事を置くだけ。
冷たい目線を浴びせてはすぐにこの場から立ち去っていく。
「私が一体何をしたというの……」
ポロリと涙がこぼれ落ちる。
悲しく悲しく涙が溢れ嗚咽が止まらなくなり――疲労故かそのまま瞳を閉じたのであった。
彼女は音で目が覚めた。
(寝てしまっていたわ。しかし騒がしいですね。どうしたのでしょう? )
そう思うもここから出ることはできない。
気にはなるが物理的に外からしか空けることができないようになっているのだ。
しかし同時に不思議に思う。
何故ここまで音が響くのだろうかと。
ガンガン!
何かがここへくる扉を叩く音がする。
同時に底知れない恐怖が彼女を襲った。
長い――手入れされていない髪を床に滑らし端へ行く。
ガンガンガンガン!!!
音は更に大きくなる。
ギギギ......と音が鳴ったかと思うと急に屋根裏に光が差した。
眩しい! と服で顔を隠して光を遮る。
そして多くの足音が聞こえた。
「見つけました! 」
(だれ? )
「お迎えに上がりました! 姫!!! 」
そこには血塗れの――しかし美しい顔立ちの男性がいた。
お読みいただきありがとうございます。
もしお気に召しましたら是非ブックマークへの登録や広告下にある★評価よろしくお願いします。