君のことを好きになってしまった。
ああ、また好きになってしまった。
まぁ、いっか。
君と僕は、運命の糸で繋がれていたんだもんね?
僕は君に恋をした。
艷やかな黒髪、純粋で綺麗な瞳。
誰にでも優しく接し、明るい君はまるで太陽のようだった。
きっと、一目惚れだったのだろう。
君が微笑んだ時、僕は赤く染まった。
きっと、僕と君は出会ってしまってはいけなかったのだろう。
僕は君の驚く顔も、泣きそうな顔も全部全部好きだった。
「付き合ってください」
「…ごめんなさい」
申し訳なさそうに謝る君。
僕には、理解ができなかった。
どうして?なぜ?
君に振られてから、まともに寝れる日が訪れなかった。
しかし、君がいるから学校に行った。
「あ、ねぇね…」
「ッ!」
僕が話しかけようとすると、君は知らんぷりで友達の方へ行く。
やはり、告白するのは間違っていたのだろうか。
しかし、この気持ちは一回伝えたほうがいいと思ったのだ。
けど…。
「俺と、付き合ってください」
「っ!…はい!!」
満面の笑みでそう答える君。
あれ、おかしいな。
アイツより、僕のほうが君を幸せにしてあげれるのに。
どうして、ドウシテ?
ああ、やっぱり告白なんてしなければ良かった。
怒りで狂ってしまいそうだ。
告白なんて、いつでも出来るのに。
準備はまだ出来ていないけど、君を迎え入れるとするよ。
だって、君を汚らわしい奴らに触らせたくないからね?
ザシュッ
「ごめんね、怖がらせちゃったよね?
けどね、君が勘違いさせる行動をするからダメなんだよ?」
赤く染まった僕に怯える君。
けど、こうした方が良かったんだ。
想いを伝えるより手っ取り早く、君を捕まえる方法。
「遅くなってしまったね。
君のこと、誰よりもアイシテイルヨ」
ニッコリ笑う僕。
君のことを抱きしめてあげたいけど、今は我慢だ。
この汚れた血を、君につけさせるわけにはいかないからね。
君と暮らしていく上で、きっと色んな困難が立ち塞がるだろう。
それでも僕は、君と過ごしていくことを選ぶよ。
「これから、ずっとイッショダヨ」
まず始めの共同作業は、このモノを片付けるところから行こうか。
僕は血を拭き、君の手を握り締めた。
「おいで、今日からここが君のおうちだよ。
まだ片付けができていないけど、気にしないでね?」
「ヒッ」
そういい、僕は家の奥へ足を進める。
周りは僕の家族の残骸で、少し汚い。
君は、怯えながらも僕についてきた。
可愛い。
僕の部屋へ入ると、君は座り込んでしまった。
きっと、これまでの僕の恋人の顔を見て驚いてしまったのだろう。
「大丈夫?」
僕が笑顔でそう言うと、君はより怯えてしまった。
まぁ、いつも通りなんだけどね。
「それじゃ、始めようか」
「んふふ、可愛いなぁ」
僕は新しく増えた彼女の顔を眺め、つい顔がほころんでしまった。
棚の上には彼女の顔が飾っており、どれも怯えておりとても可愛い。
外にはサイレンが鳴り響いている。
今回は男も殺してしまったからなぁ。
いつになったら、外に出られるかなぁ?