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調査(後編)

調査2日目の朝

中島先生も加わって佐古水達はさらに調査を進めるために現場の研究所前に来ていた。

「現場に来てみたはいいがどうやって入る?」

郷田が考えていると佐古水は躊躇することなく研究所に入っていった。

「おい、佐古水!俺達が勝手に現場に入って大丈夫なのか!?」

郷田達も佐古水の後を追って研究所に入っていった。


研究所内部

「うわぁ、見事に壊されてるな。」

郷田が研究所内を見回していると佐古水が国の調査員と思われる人と話をしていた。

「お前ら!」

佐古水は郷田達に手袋などを渡した。

「あれ?佐古水ってこの中に知り合いいたっけ?」

「いや、昨日知り合った。」

「すげえな、そのコミュ力。」

「早速、調べるぞ。」

佐古水達は現場の勇輝達がいたガラスの部屋の周りを調査し始めた。

「調査って言っても何を調べるんだ。」

「あの時、気になったことがいくつかある。その一つがあの惨状でありながら夢宮と星雲寺には返り血が全く付いていなかった。」

「マジか!」

「確かにそれなら二人に犯行は無理ですね!」

「でも、あの時は私達も返り血は付いていなかったわ。」

「それはこれだろう。」

佐古水達が振り向くと日比野と橘がいた。日比野は小さな水晶を佐古水達に見せた。

「何それ?」

「これは水と風の魔法を使って服の汚れを取る装置らしい。」

「何その便利道具。証拠隠滅にぴったりじゃねぇか。」

「そういえば、橘。お前、あの時どこにいた?」

「またその質問か。悪いが答えるつもりはない。」

橘の言葉に郷田がにやけながら口を開いた。

「ほぅ、答えないか。」

「どうした?私を拷問するか?」

「いや、お前で妄想する。」

「は?」

「だって誰にも言えないことだろ。そんなの妄想が捗るに決まっているじゃん。なんだ、ホテルの自室でオ◯ニーか?全裸で街中を徘徊か?それとも・・・」

「うわ~!」

「落ち着け、橘!気持ちは分かるがここでライフルを使うな!」

「郷田君・・・」

「こんなひでぇ尋問は初めて見た。」

「私も。」

「僕も。」

郷田を撃とうとする橘を抑える日比野を見て郷田に呆れる中島先生と哀れに思う佐古水達だった。


それから数分後

「分かった。分かったからそのふざけた妄想を二度とするな。」

「で、何やってた?」

「・・・笑うなよ。」

「え?」

「17時過ぎから18時過ぎまでぬいぐるみショップにいた。」

「え!?」

「その間、ずっとぬいぐるみをふかふかしてたんだ。」

「ふかふか(笑)!?」

橘の衝撃の告白に郷田が吹いて笑った。

「笑うなぁ!」

「落ち着け、橘!」

「なるほど、そういえば凪ちゃんの部屋にデカイ熊のぬいぐるみがあったって流衣ちゃんが言ってた。」

「南~!」

「だから、落ち着け、橘!」

赤面しながら涙目で暴れる橘を日比野達が抑えていた。


それからまた数分後

「とりあえず、もう一度おさらいするか。」

橘を落ち着かせた佐古水達は再び調査を始めた。

ちなみに、郷田は殴られ鼻血を出していた。

「そうだな。まず、俺達は18時まで資料室にいた。資料室を出てホテルの食堂に着いたのが18時半前。」

「そこで、昼森達がいないことに気が付いて手分けして探したな。」

「そうね。そして、私達が19時前に研究所であの惨状を目撃したのよ。」

「それで、星雲寺さんと怪獣が逃げたんだよね?」

「あぁ、まぁ命狙われたら普通は逃げる。」

「星雲寺さん、どうなったんだろう?」

「わからない。今は無事を祈るしかない。」

「そういえば、凶器はなんだ?」

「鑑識の調べだと細長い刃物と光線銃らしい。」

「光線銃?」

「あぁ、原田と昼森はそれで殺されたようだ。あとの三人はその刃物で刺されたり斬られたりしていたみたいだ。」

「その凶器は両方見つかってないのか?」

「まだ見つかってない。そもそも両方該当するものがこの街にはないらしい。」

「外部から持って来たとしてもすぐ見つかってるだろうしな。」

「犯人はどうやって凶器を手に入れたのか?」

「魔法が凶器ってことは?」

「それはないよ。」

郷田の質問に佐古水達の後ろから来たアリスが答えた。

「もし魔法が凶器なら魔力を鑑識が検知しているはず。でも、今回は魔法を使った形跡がないのよ。」

「そうか。また調査は振り出しか。」

佐古水達は進展がなく調査に行き詰まってしまった。



その夜、ホテルの一室

「う~ん。何か引っ掛かってるんだけどなぁ。どこか違和感があるんだがなんだ?」

佐古水は頭を抱えていた。すると、突然町中に警報が鳴り響いた。

「なんだ!?」

佐古水が部屋を出ると日比野達が走って来た。

「佐古水!怪獣が襲撃してきたらしい!」

「な!?」

日比野達が外に出ると街の門が破壊されていた。




襲撃数分前

「さぁ、始めるぞ。戦争を。」

グランドファングや事件の日に逃走した怪獣など大量の怪獣を引き連れて蜘蛛型の怪獣が進撃していた。

その姿を友子は遠く離れた場所から見ていた。

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