過剰戦力の暴走(中編)
メカギルザが暴走する少し前
「どうだ、アスカ?」
「全く問題無いわ、博士。完璧よ!」
「そうか。そのまま続けてくれ。」
「了解。」
メレバスフォースセンターオペレーションルームでは芹沢達がアスカに指示を出していた。
「これが完成したら新たな対怪獣兵器が生まれますね。」
「あぁ、これで我々もナンバーズに対抗できる戦力を得たというわけだ。」
芹沢達が会話しているといきなりメカギルザが止まったのだ。
「ん?どうした、アスカ?」
「い、いや、何でも・・・え?何で?何で急に動かなくなったの!?」
「何?」
「メーデー、メーデー!急に制御ができなくなったわ!ってちょっと何マキシマムストライクを撃とうとしているのよ!?」
「何が起こった!?」
「わから・い・・・すけ・て、何も・・・でき・・な・い・・・」
アスカがそう言うと通信が切れてしまった。
「総員に告ぐ!今すぐメカギルザのメインシステムをダウンさせ止めろ!」
「だ、だめです!システムが受け付けません!」
「何だと!?」
芹沢もなんとかアスカと連絡をとろうとしたが全く反応はなかった。そして、モニターに映っていたメカギルザは観客席に向かってマキシマムストライクを放っていた。
そして、今
「とにかく、あれをなんとか止めないと被害が拡大する!」
「そんなことはわかっておる!しかし、あれをどうするかのぉ。」
メカギルザと対峙したウルトラレックス達。ルージュはドラゴンに戻り、ルギリナは翼を生やして臨戦態勢をとった。そして、一斉にメカギルザに向かった。
メカギルザは素早く後退すると追尾式ミサイルで攻撃を始めた。ルージュは炎を吐いてミサイルを撃ち落とすとルギリナが自身の何倍もある巨大な闇の槍を作ってメカギルザに向かって投げた。すると、メカギルザは前方に光の盾を作って防御した。
「はぁ!あいつ、シールドも張れるのか!」
ルギリナは文句を言いながらも両手を前に突き出して赤黒い光線を発射した。それに合わせてルージュも全身を紅くして口から紅い光線を放った。
「《ルギリナビート》!」
「《紅龍之咆哮》!」
二人の放った光線は真っ直ぐメカギルザに向かっていた。しかし、メカギルザは避けることもシールドを張ることもせずに仁王立ちしていた。すると、胸を開けてポジトロン・ハイパー・プロミネンス・ゼロを発射したのだ。それは二人の光線とぶつかり合うとそのまま光線をかき消してしまった。
「嘘じゃろ!?」
「ここまで強いのか。」
二人は間一髪避けた。すると、いつの間にかメカギルザの後ろを取っていたウルトラレックスとキュアリアスが各々の必殺技でメカギルザを攻撃した。
「《レクシウムブラスター》!」
「《ボルケーノギロチン》!」
二人の技はメカギルザに命中したが傷はついていなかった。
「嘘・・・」
「これでもだめなんて・・・」
二人が呆気にとられているとメカギルザはネオストームテールで二人を攻撃した。
「しまった!」
二人は油断しネオストームテールをまともにくらってしまい落下した。メカギルザは振り返ると倒れている二人に向かってプラズマショットキャノンを発射しようとした。ルギリナとルージュが二人を助けようと向かうが追尾式ミサイルとネオストームテールが邪魔で容易に近づけなかった。
その時、マシンガンがメカギルザに命中しメカギルザはプラズマショットキャノンを撃たれた方向に撃った。そこにはX状の翼を持った戦闘機がいた。戦闘機はプラズマショットキャノンを避けるとそのままマシンガンで攻撃を続けた。
「あれって・・・」
起き上がったウルトラレックスは攻撃を避ける戦闘機に見とれていると今度はジオフェニックスがマジカルレーザー、コスモスがプロミネンスライフル、ラプターがミサイルでメカギルザを攻撃した。
「ごめん!遅くなった!」
「舞沢さん!」
ジオフェニックスから舞沢の声が聞こえた。すると、さっきの戦闘機からも声が聞こえてきた。
「久しぶりに血が騒ぐ。」
「シグマさん!もしかして新しいストレイザーですか!?」
舞沢が質問すると観客席で右手と頭に機械を装着していたシグマがスピーカーを通して答えた。
「こいつが私の新しいストレイザー。その名もハンターエックスⅡだ!」
ジオフェニックスやハンターエックスⅡの他にヘブンなどのストレイザーも加勢にきたことで状況は有利になっていた。ウルトラレックス達も再び加勢に行こうとすると車に乗ってきた芹沢がこちらに向かってきた。
「少し待ってくれないか!?」
「え!?」
「ちょうどいい。あれはなんだ?まさか、あの女の反乱か?」
「それはない。メカギルザが暴走する前、私達はアスカと会話していたけどそんな様子はなかった。」
「それじゃあ、元になった怪獣の怨念とか呪い!?」
「それもない。メカギルザのメインシステムだけではなく管制室のシステムもこっちの制御が効かなくなっている。」
ルギリナやキュアリアスが暴走の原因を考察するが芹沢は全て否定した。
「じゃあ何?」
「私も認めたくないがおそらくハッキングだ。」
「ハッキング!?」
「あぁ、何者かがこちらのメインシステムを乗っ取ってメカギルザを操っている。」
芹沢がタブレットを見せるとコックピットで気絶しているアスカがいた。しかし、ハンドルやレバー、システムは勝手に動いている。
「やっとこの部分だけ取り返すことができたがこれ以上は無理だった。頼む。アスカを救出し、メカギルザを止めてくれ。」
「わかってます。元よりそのつもりです。」
「ありがとう。」
芹沢はお礼を言った。それを聞いたウルトラレックス達は再びメカギルザに対して臨戦態勢をとるのだった。