蒼き魔王の祝福
ギランジュラを倒してから数日、WISHはルギリナの城で休憩していた。
キュアリアスの目が覚めるとそこにはウルトラレックスがいた。キュアリアスの目が覚めたことに気が付いたウルトラレックスは安心した顔で話しかけてきた。
「大丈夫?」
「う、うん。私・・・」
「ありがとう。」
「え?」
「キュアリアスさんのおかげで魔界は救われたんだよ。」
ウルトラレックスに言われてキュアリアスは思い出した。自分が単身でギランジュラに挑んだこと、窮地に立っていたこと、あの光のおかげで不思議な力が湧いてきたこと、その力でギランジュラを倒したこと、全て思い出していると中島先生達が入ってきた。
「起きたのね、星雲寺さん。」
中島先生はキュアリアスに近づくと頭を軽くチョップした。
「もう心配させないで!いきなりいなくなったと思えば傷だらけで地面から出てきてびっくりしたわ。」
中島先生は涙目でキュアリアスに諭していた。キュアリアスは気まずそうに顔を背けると中島先生の後ろにいた日比野がキュアリアスに手を差し出した。
「ありがとう。おかげで命拾いした。」
「え、うん。」
キュアリアスは日比野と握手した。すると、ウルトラレックス達のところにルギリナとメシュラがやってきた。
「・・・礼を言う。」
ルギリナは顔を背けるとお礼を言った。メシュラは愛想笑いをしながらキュアリアス達にお礼を言った。
「ありがとう。君達のおかげで魔界は救われた。魔界再生のために他の魔王様は忙しいのでルギリナ様と私が代表してお礼を言わせてもらいます。ありがとうございます。」
メシュラがお礼を言い終えるとルギリナが日比野に提案してきた。
「お前達の組織・・・確かWISHと言っていたな。その組織に私も同行させてもらう。」
「え?」
「えぇ~!」
ルギリナの提案に日比野達は驚愕した。
「なんだ?我じゃ不満か?」
「い、いえ!でもいいんですか?確かルギリナさんは怪獣が・・・」
「言うな。確かに私は怪獣が憎い。しかし、我が憎い怪獣は兄と父を殺した怪獣だ。少なくともお前達ではない。だから、お前達と同行しその犯人を探す。」
ルギリナの提案を聞いた日比野はしばらく考えた。そして、答えをルギリナに言った。
「分かりました。一緒に行きましょう!」
「あぁ。」
日比野は手を伸ばした。ルギリナも手を伸ばし握手した。
場所は変わってタイタンホーク
「え~、本日からWISHに入隊というか同行することになりました。魔王のルギリナ・ベリアートさんです。」
「えぇ~!」
日比野の紹介にみんな驚いていた。ルギリナは黙って驚いているみんなを見ていた。
「確かに魔王である彼女がいると心強いな。」
「あくまでも私は兄と父の敵討ちが目的だ。だがただの戦闘員じゃ申し訳ないからな。私は二人の教官として同行しよう。」
そう言ってルギリナはウルトラレックスとキュアリアスの肩を叩いた。
「え、えぇー!」
「お前達の戦いを見ていたがまずウルトラレックス、お前はほとんどその場の勢いや偶然開花した能力で押しきっているだけだった。だからあの怪獣に遅れを取ったのだ。」
「うっ!」
「次にキュアリアス、お前は戦い方が行き当たりばったり過ぎる。後先考えずに突っ込んで行くからあんなボロボロになるんだ。もっと冷静に状況を分析して行動しろ。」
「は、はい。」
「こりゃ先が思いやられるな。」
魔王ルギリナに睨まれたウルトラレックスとキュアリアスは乾いた笑いを続けていた。